ゴーマニズム宣言(文庫版)(5) の商品レビュー
扶桑社の『SPA!』誌に平成六年2月23日号から6月1日号まで連載された分、第76章から89章までを書籍化。本編のほかに雑誌掲載の「人物研究 小林よしのり」、「秘書2レディースのよしりん分析」、スタッフ4名による付録四コマ漫画などが掲載されている。 この頃は差別論が一段落した後...
扶桑社の『SPA!』誌に平成六年2月23日号から6月1日号まで連載された分、第76章から89章までを書籍化。本編のほかに雑誌掲載の「人物研究 小林よしのり」、「秘書2レディースのよしりん分析」、スタッフ4名による付録四コマ漫画などが掲載されている。 この頃は差別論が一段落した後で、時事ネタ・身辺ネタなどを中心に構成されている。時事ネタは当時話題になったニュースを散りばめている。"悪魔くん"命名問題、平成コメ騒動、裕木奈江叩き他。薬害エイズもこの巻で初めて取り上げている。"悪魔くん"命名問題では、非常識かつ無責任な暴論をまき散らすコメンテーターを切っているる、作者の主敵はこの頃から相対主義的知識人なのが分かる。それは後のオウム真理教との死闘の過程でより顕著になる。オウムを擁護する連中がいかに多かったことか。 身辺ネタは石原慎太郎および佐高信との対談、西部邁に対する"娯楽としての悪口"、マスコミ業界人や学生の無礼への怒り、裕木奈江叩きを受けた"ブリッ子"論などなど。石原と対談したことで今はなき某"奇形左翼"雑誌に粘着されたり、裕木奈江を擁護する一言で女性読者から狂った手紙を送られたり、何を描いても人を刺激してしまう作者だが、「ゴキブリ連中のあぶり出し作戦」と更に挑発するのだから、スゴいものだ。
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本巻では、その後著者が深くかかわっていく薬害エイズ問題がはじめてとりあげられます。その後、著者は左翼運動に対する違和感から、この問題にかかわった当事者たちから距離をとるようになるのですが、その経過が保守派の論客となっていく著者の思想的な歩みを示しているように思います。 また、著...
本巻では、その後著者が深くかかわっていく薬害エイズ問題がはじめてとりあげられます。その後、著者は左翼運動に対する違和感から、この問題にかかわった当事者たちから距離をとるようになるのですが、その経過が保守派の論客となっていく著者の思想的な歩みを示しているように思います。 また、著者と論壇における共闘関係をきずくことになる西部邁を、コミカルなすがたでえがいて批判している章もあります。これについても、「けんきょかましてよかですか?」と題された、文庫化にさいして付された文章のなかで、西部に対する見かたが変わったことに触れつつ、「今見ても、やっぱりおもしろい」と語っています。登場人物をキャラクター化して笑いのめす著者のブラック・ユーモアの才能が発揮されているという点で秀逸です。
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先日読んだ『ゴー宣4』で抱いた期待感とは裏腹にテーマが収束していく様相が全く見えなかった。前巻で頻出した差別に関するテーマは1本という予想外の結果だった。 しかし本巻に至って漸くHIV薬害訴訟がテーマとして掲げられ、後の活動を風の便り程度ながらも知る身にとっては次巻以降の展開が誠...
先日読んだ『ゴー宣4』で抱いた期待感とは裏腹にテーマが収束していく様相が全く見えなかった。前巻で頻出した差別に関するテーマは1本という予想外の結果だった。 しかし本巻に至って漸くHIV薬害訴訟がテーマとして掲げられ、後の活動を風の便り程度ながらも知る身にとっては次巻以降の展開が誠に興味深く、待ち遠しい。 今回最も驚いたのは佐高信氏と対談していた事と、元都知事の石原慎太郎氏と既に対談していた事。 小林よしのり氏、恐るべし!
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