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黒いアリバイ の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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女優の興行宣伝に使わ…

女優の興行宣伝に使われた黒豹が逃げ出した。その後に女性の連続殺人が始まる。引き裂かれた死体は黒豹の仕業か?アイリッシュの文章は読ませるとはいえ、得意の若者たちも出てこず、トリックにもいささか無理があり、少々苦しい力作。

文庫OFF

連作短編に近い構成に…

連作短編に近い構成になっているが、効果的に用いられていない為に退屈に感じた。

文庫OFF

2023/11/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

静かにその怪物は 女性たちに牙をむいていく… 逃がした黒豹がきっかけで起きた(?) 一連の女性の連続殺人事件。 しかしながら逃がした関係者である マニングはその状況から どうやら黒豹ではない何かがいると 察してはいたのですが… そいてついに明らかに「これはちがう!!」と 思ったマニングは友人を殺された女性と 恋人を殺された男と協力をして 犯人を追い詰めることに。 最後は思わぬ形で幕を閉じます。 あれこれどこかでも見たことのある光景ですが 作者が違います。 ジャンルもね。 長めだけどそんなに気にならなかったです。

Posted byブクログ

2022/02/28

南米のある都市、ショウガールのキキの宣伝として、マネージャーのマニングは生きた黒豹を連れて歩かせる、という策を思い付く。キキは驚きながらもマニングの連れて来た黒豹をつれて何歩か歩きだすが、やっぱり逃げた。そりゃそうだろー、と言う気になるが、これがアイリッシュの描く舞台、となるとす...

南米のある都市、ショウガールのキキの宣伝として、マネージャーのマニングは生きた黒豹を連れて歩かせる、という策を思い付く。キキは驚きながらもマニングの連れて来た黒豹をつれて何歩か歩きだすが、やっぱり逃げた。そりゃそうだろー、と言う気になるが、これがアイリッシュの描く舞台、となるとすんなり受け入れてしまう。 豹はみつからない。察するとおり、次々と豹は人間を殺す。お使いに出た少女、恋人との逢瀬に向かう若い女性、必至になって家族のためお金を稼いでいる女、旅行にやってきた二人組、それぞれの犠牲者にそれぞれの人生がある。それらを南米の貧しい裏街と陽気なカフェ、とをバックに描く。 短編で読んだことがあったので筋の展開は見えていた。 「黒い爪痕」(コーネル・ウールリッチ傑作短編集第3巻・白亜書房) 1942発表  1977.12.9初版 1988.9.9第7版 図書館

Posted byブクログ

2021/05/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今回もアイリッシュは上のような魅力的なシチュエーションを用意してくれた。1942年の作品だが、今を以ってもこのような設定の物語は出逢った事が無い。そしてアイリッシュが語る黒豹は詩的で美しく、そして強靭だ。 1章ごとに語られる女性の殺害譚は今までのアイリッシュ=ウールリッチの手法どおり、それ自体が一つの短編のように語られる。被殺人者の人となりを家族構成、今おかれている経済的な立場をしっかり描き、殺人に至る、なぜ殺人現場に行くことになったのか、居る事になったのかを入念に描くのだ。 それは日常であり得る私・貴方の生活風景であり、またどこかにいる上流階級・下層階級の日常なのだ。これが抜群に上手い。 ここまで褒めていて何故3ツ星なのか。それは真相の呆気なさである。 各章で語られる殺人劇には第2被害者のコンチータまで死の直前まで豹が迫ってきたところまで描かれており、殺人後の現場調査も豹のいた形跡をはっきりと示している。 これをどうにか上手く処理するために非常に突飛な結末を用意している(豹の爪から手甲を作る)。これが非常に戯画的でアイリッシュの設けた空間にそぐわない。 また今回は登場人物表に欠点があった。 ミステリにおいて犯人というのは登場人物表に挙げられる人物でなくてはならない。今回の表は極限までに登場人物が絞られていた。途中疑いを掛けられる人物さえその名が無いほどだ。これはかなり痛い。 畢竟、真犯人はあの人しかいなくなるのだ(最終章に協力者が消えるのは作者なりのミスリードだろうが、今までのストーリーからすれば真犯人ではあり得ない)。 そしてとどめはタイトルの無意味さ。何故このタイトルなのかが最後になっても解らない。 同じ「黒」シリーズとするならばやはり本作で最も相応しいのは『黒豹』・『黒い豹』・『黒い獣』とかだろう。 本作が他のアイリッシュ作品と比べてミステリファンの話題に上らないその訳を垣間見てしまった。

Posted byブクログ

2021/01/22

女優キキの興行宣伝に使われた黒豹が逃げ出した。そして始まる女性の残虐な連続殺人。引き裂かれた死体は黒豹の仕業なのか…。アイリッシュの魅力は「孤独な都会の若者」そして「ラヴストーリー」にある。その要素無くして書かれた話はやはり苦しい。展開はさすが読ませるがトリックにも無理があり、魅...

女優キキの興行宣伝に使われた黒豹が逃げ出した。そして始まる女性の残虐な連続殺人。引き裂かれた死体は黒豹の仕業なのか…。アイリッシュの魅力は「孤独な都会の若者」そして「ラヴストーリー」にある。その要素無くして書かれた話はやはり苦しい。展開はさすが読ませるがトリックにも無理があり、魅力的な登場人物も出て来ない。なかなか面白い話なんだけどねえ

Posted byブクログ

2019/02/25

南米の街、シューダ・レアル。 女優のキキは、マネージャーのマニングが宣伝のために連れて来た黒豹に、逃げられてしまった。姿を消した黒豹の行方は、警官隊の捜索にもかかわらず杳として知れない。そしてついに犠牲者が出てしまう。凄惨な犯行現場に、マニングは違和感を覚えた。その後も繰り返され...

南米の街、シューダ・レアル。 女優のキキは、マネージャーのマニングが宣伝のために連れて来た黒豹に、逃げられてしまった。姿を消した黒豹の行方は、警官隊の捜索にもかかわらず杳として知れない。そしてついに犠牲者が出てしまう。凄惨な犯行現場に、マニングは違和感を覚えた。その後も繰り返される惨劇は、豹によるものなのか、それとも.... それぞれの犠牲者が災厄に見舞われるまでのストーリー、特に心理描写の巧みさが印象に残る。単なるミステリーの登場人物を超えて、犯罪によって断ち切られる人生の理不尽さまでも伝えてやまない。そしてやはり、畳み掛けるようなラストには手に汗を握る。

Posted byブクログ