リアルであること の商品レビュー
新聞や雑誌などに発表された、比較的短い著者のエッセイをまとめた本です。 本書の全体を通して一貫しているようなテーマが存在しているわけではありませんが、それでも著者の思索のスタイルには、なにか変わらないものが存在しているように感じられます。それは、現代を生きる人びとのなかにひそん...
新聞や雑誌などに発表された、比較的短い著者のエッセイをまとめた本です。 本書の全体を通して一貫しているようなテーマが存在しているわけではありませんが、それでも著者の思索のスタイルには、なにか変わらないものが存在しているように感じられます。それは、現代を生きる人びとのなかにひそんでいる、いまだ明確なかたちにならない宗教的なものへ向かおうとする胎動をすくいとり、それらのあいだを軽やかに駆け抜けながら、動かしがたいように見える現実に揺さぶりをかける試みということができるかもしれません。 宗教と呼ばれているものの内実に触れることは、なにか現実と鋭く対立するような理念的な世界に赴くことではないのでしょう。多岐にわたるテーマをあつかう本書が読者に示そうとしているのは、現実のただなかにいわば散種されている差延的な運動に目を向けることなのではないかと思います。
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私たちは「莫妄想」を本性とする民族なのであるから、はしかのように宗教に走るよりも、妄想としての宗教を越える、「リアル」の思考にこそ、その本領を発揮するはず…
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病院の待合中に偶然出逢い、手に取りました。 そしたら二時間も待たされ、結局読破。 古い事言ってるなーと思ったら、 やっぱり古い本だった。 今のこの人に逢ってみたいなー。 これからやってくる本当の21世紀は もっと素敵なモノになりますよ。
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中沢に出会った本。「宗教と広告、近くて遠い関係」が秀逸。地下鉄サリン事件から二年後に刊行されたこともあり、今回の震災後の危機的状況にあたっても参考となる思考もある。
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この人の文章はとにかく面白くて読み進めてしまう。ときどき藤原新也とごっちゃになるときもあるけれど。(06/9/4)
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