少年H(下) の商品レビュー
下巻は太平洋戦中から戦後にかけて。敗戦の日のたった一日で手のひらをかえすように変化してしまった社会に 思春期の少年Hは困惑し、反発し、しかし 少年なりに受け入れて成長していく。 子供にも読めるようにとの注訳があった通り わかりやすい言葉で それ程の残虐性も感じずに 一般市民の...
下巻は太平洋戦中から戦後にかけて。敗戦の日のたった一日で手のひらをかえすように変化してしまった社会に 思春期の少年Hは困惑し、反発し、しかし 少年なりに受け入れて成長していく。 子供にも読めるようにとの注訳があった通り わかりやすい言葉で それ程の残虐性も感じずに 一般市民の戦中の生活が表現されている。 思ったよりも 新聞などに惑わされずに戦況を予想していた人がいたことに驚いた。 自分だったらおそらく鵜呑みにしていただろうと思った。 そしてまだ10代後半の少年なのに「死」をより身近に感じていただろう表現が多々あり、日頃の緊張感が現代とはかけ離れていることに気づく。
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評判も高いので読んでみたが、自分的には普通の作品であった。 あの時代が、あの時代に生きた人が、 どのようなものであったかを知ることができ、 その点では良かったが、感動や共感はあまり生まれなかった。 また、何年かしたのちに読み直したいと思う。
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上巻では、鷹取近辺の地理だけしか出てこなかったが、下巻に入って北区の地名なんかも出てきて面白かった。神有電鉄が出てきた時は、さすがに親近感がわいた。話の流れがだんだんと戦争の話になってきて、ありがちな小説になっていった様な感じがあった。初めの方の軽快なテンポで進んでいく話ではな...
上巻では、鷹取近辺の地理だけしか出てこなかったが、下巻に入って北区の地名なんかも出てきて面白かった。神有電鉄が出てきた時は、さすがに親近感がわいた。話の流れがだんだんと戦争の話になってきて、ありがちな小説になっていった様な感じがあった。初めの方の軽快なテンポで進んでいく話ではなくなってきたが、戦争について真剣に考える少年の姿を描き続けているのは、なかなか深刻な感じで引きつけられた。しかしそのような真剣な態度の少年が、最後には結局夢多き人で進んで行くだけでは物足りないような感じがした。でもこの結末だから、この本のタイトルは、青年ではなく、少年なんだなって感じがした。
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自分では買わないかも。 でも知人からもらい、読んでみました。 気付いたら完読。 戦争を歴史でしか知らない私には、とても興味深く、勉強になりました。 当たり前のことだけど、過去の人たちも自分と同じように感じたり、 戸惑ったりすることもあるのだなと思いました。
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この戦争はなんなんや?―忘れられかけている太平洋戦争とその時代を、純粋な「少年H」の眼を通して現代に記した、著者初の自伝的長編小説。戦争のまっただ中を逞しく生きる悪童とその家族が感動を巻き起こす大ベストセラー作品。戦争を知らない少年少女はもちろん大人たちもぜひ読み継いでほしい名作...
この戦争はなんなんや?―忘れられかけている太平洋戦争とその時代を、純粋な「少年H」の眼を通して現代に記した、著者初の自伝的長編小説。戦争のまっただ中を逞しく生きる悪童とその家族が感動を巻き起こす大ベストセラー作品。戦争を知らない少年少女はもちろん大人たちもぜひ読み継いでほしい名作。毎日出版文化賞特別賞受賞作。
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上巻に続き、一人の少年が戦争を見つめた様子を完結へと導いている。終戦記念日が近いのでレビューを書くに至った。
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「河童の覗いたシリーズ」を読んでいると妹尾河童の目の付けどころは凄いなぁと感心するがそれを彼は子供のころからやっていたみたい。この小説には漢字にひらがながふってあるのだがそれもまた新鮮(知らない漢字を自分なりに勝手に発音していた事にも気付かされた)。
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続き。 戦争に、どちらがいいも悪いもないのかもしれない。 ありきたりだけれど、一方から見れば、他方が悪になる、それが戦争だろう。 でもそれは、ごく一握りの人間の考え方だ。 多くの人にとって、自分の運命を勝手に方向付ける、『戦争』の存在そのものが悪なのだ。 そんなことを、漠然と...
続き。 戦争に、どちらがいいも悪いもないのかもしれない。 ありきたりだけれど、一方から見れば、他方が悪になる、それが戦争だろう。 でもそれは、ごく一握りの人間の考え方だ。 多くの人にとって、自分の運命を勝手に方向付ける、『戦争』の存在そのものが悪なのだ。 そんなことを、漠然と考えさせられた本でした。
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自伝めいたものは好きじゃなく、今の時代に戦時中はどうこうと回顧されてもと思っていましたが・・その時代を生きていたような共感を覚えました。 確かに主人公のHは、少し変った少年です。それは父親が外国人相手が多い洋服屋であり、母親がクリスチャンなので国粋主義に踊らされなかったからでし...
自伝めいたものは好きじゃなく、今の時代に戦時中はどうこうと回顧されてもと思っていましたが・・その時代を生きていたような共感を覚えました。 確かに主人公のHは、少し変った少年です。それは父親が外国人相手が多い洋服屋であり、母親がクリスチャンなので国粋主義に踊らされなかったからでしょう。素朴な疑問、率直な感想で社会と人を見ています。そうだったのかと納得させられる部分も多く、反戦意識で批判が先に立っていた自分に気付かされました。Hは僕の分身なのかもしれない・・そんな気すらします。 戦争は何だったのか。この戦時中の描写に、北朝鮮の現状や今の社会がダブってきます。国民性というのは変ってないのでしょう。憲法改悪反対(゚ー゚)(。_。)
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上巻とくらべると若干暗い。戦争に負けそうになってきたっていう背景がそう感じさせるのかな。下巻になると、Hじゃなくってセノオとか呼ばれます。主人公。イイ年になっても、けっこうアホで良い。
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