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喪服のランデヴー の商品レビュー

3.8

15件のお客様レビュー

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戦争中から戦後のアメ…

戦争中から戦後のアメリカが舞台になっていて、少し時代背景が古めかしいですが、その時代の風俗などがよく描かれています。ミステリーというよりもサスペンスもので、登場人物の心情なども朴訥ですがよく書かれていると思います。

文庫OFF

飛行機から投げ捨てら…

飛行機から投げ捨てられた酒瓶で恋人を殺された男が復讐する物語。偶発的な事故を故意の殺人で復讐するということに共感できなかった。

文庫OFF

飛行機から落とされた…

飛行機から落とされた瓶が、主人公の恋人を殺すこととなった。主人公は恐るべき復讐を始める。最後でターゲットが二人で逃亡するのは少し不自然かと思いましたが、面白かったです。

文庫OFF

2024/01/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

残るのは無だけなんだよね… 飛行機から落ちてきたものによって 愛しい人を失う羽目になった男。 やがて彼は姿を消し、 その狼藉に関わったものたちを 不幸に貶める復讐鬼へと変貌したのです。 1人を除いては巻き添えですね。 なぜ一人を除いたかって? こいつがバカをやったために 鬼を目覚めさせたから。 彼だけは相応しい最悪の復讐を 受けることになっています。 もちろんこの復讐は許されるわけもなく 最後はね… 本当マナー守れよマジで。

Posted byブクログ

2022/04/25

なんとも凄烈で悲しい物語だ。貧しいが惹かれあっている男女、二人は幼馴染で同じ店の前でいつも待ち合わせをしている。やっと結婚のめはながついた時、5月31日の夜、娘は空から落ちて来たビンが当たり死んでしまう。男は復讐を誓う。「黒衣の花嫁」の男性版とでもいうような設定。 事故が起こっ...

なんとも凄烈で悲しい物語だ。貧しいが惹かれあっている男女、二人は幼馴染で同じ店の前でいつも待ち合わせをしている。やっと結婚のめはながついた時、5月31日の夜、娘は空から落ちて来たビンが当たり死んでしまう。男は復讐を誓う。「黒衣の花嫁」の男性版とでもいうような設定。 事故が起こったのは第二次大戦中か直前か、戦後にもかかり男は飛行機に乗っていた者5人と飛行士をつきとめる。殺す相手がその男達ではなく、その男達が大事に思っているその相手、というのが「黒衣の花嫁」と違うところ。自分と同じ喪失の悲しみを味わわせるのである。・・分かるが、相手の女性はかわいそうだなあ。しかし物語の筆致がそのちぐはぐな感情を凌ぐ。最後の一人の所で横浜が出てくる。発表は1948年で、その大戦後の時代感も感じる。 文庫本の表紙は浜田泰介とあり、有名な日本画家らしい。この表紙のために描かれた絵ではないような気がする。ビンに当たって死んでしまった恋人は地味だがかわいい、口紅などつけていない描写。 1948発表 1976.4.30発行 図書館

Posted byブクログ

2021/02/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いやはやアイリッシュ、もといウールリッチは設定がすごい。発表後60年近く経った今でもその設定は斬新だ。 ある街で愛し合う若い男女がいる。非常に初々しい二人の間にやがて悲劇が訪れる。ある飛行機から落とされたビンがたまたま彼女に当ったのだ。最愛の女を失った彼は廃人となり、やがて復讐の鬼と化し、同日同時間に同場所を通過した飛行機に乗り合わせた乗客全てに同じ苦痛を事件の起こった5/31に味わわせるのだった。 この設定を読んだだけでもう早く読みたいと思うのは当然ではないだろうか? しかも唄う詩のような美文は健在で今回も陰惨な内容ながら幻想的な衣装を纏いながら物語は流れていく。 しかも成される復讐は5つあり、それら全てが極上の短編小説のようにスパイスが効いているのだ。 顔の見えない主人公ジョニー・マー。彼のした事は非道で許されないことだが、彼のされた事もまた同じである。深く哀しみを湛えて復讐を成す彼が到達する最後は恋人ドロシーに扮した警察見習い生。その再会で彼は至上の悦びを発散する。 最後死ぬ前に救われたのか? 私は救われたと思う。いやそう信じたい。

Posted byブクログ

2019/02/27

飛行機から誰かが投げ落としたビンが、最愛の恋人の命を奪った。心を狂わせてしまったジョニー・マーは、その飛行機と5人の乗客を突き止め、彼らに同じ思いを味わわせることだけに人生を使う。止めることの出来ない、綿密に計画された犯罪。一方警察は、僅かな手がかりから次の犠牲者を突き止め、犯行...

飛行機から誰かが投げ落としたビンが、最愛の恋人の命を奪った。心を狂わせてしまったジョニー・マーは、その飛行機と5人の乗客を突き止め、彼らに同じ思いを味わわせることだけに人生を使う。止めることの出来ない、綿密に計画された犯罪。一方警察は、僅かな手がかりから次の犠牲者を突き止め、犯行を食い止めようとする。哀切な思いの果てに繰り返される理不尽な復讐劇はどのような結末を迎えるのか。

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2017/09/07

翻訳を通しても、都会的で洗練された文体の強度を失わない稀有な作家の一人、ウールリッチ/アイリッシュ。1948年発表、ブラックシリーズの代表作でもある「喪服のランデヴー」では、その耽美なレトリックがすでに完成しており、序章と終章における溜め息が出るような情操の表現を味わうだけでも読...

翻訳を通しても、都会的で洗練された文体の強度を失わない稀有な作家の一人、ウールリッチ/アイリッシュ。1948年発表、ブラックシリーズの代表作でもある「喪服のランデヴー」では、その耽美なレトリックがすでに完成しており、序章と終章における溜め息が出るような情操の表現を味わうだけでも読む価値がある。上空を通過した飛行機の乗客が投げ捨てた瓶の直撃を受け、逢瀬の待ち合わせ場所にいた恋人を殺された男。その無残で凍てついた心象風景を綴っていくプロローグは、ウールリッチならではの世界観を形作っている。 本作は凄まじい怒りによって復讐の鬼と化し、狂気の淵へと墜ちた若者ジョニー・マーが、真犯人を特定できないままに対象となる5人の男を探り出し、躊躇うことなく地獄の底へと突き落としていく物語だ。脈略無き不可解な連続殺人を嗅覚鋭く追う刑事も登場させるが、メインで描くのは、緻密な計算のもとに遺恨を晴らすべくジョニーが対象5人に加えていく報復の顛末である。推定する加害者を単に殺すのではなく、ジョニー自身が味わった悲劇と同様の苦悩へと陥らせる。その非道/冷酷ぶりは極まっており、罪のない人々までも犠牲にしていく若者には、いつしか同情よりも畏怖感の方が強まっていくだろう。 捻りを施した構成の妙とサスペンスフルな展開で読ませる秀作であり、ウールリッチの魅力が存分に溢れている。ノワールの先駆であり、ラストシーンにおいて自らも暗黒へと堕ちていくジョニーの絶叫が重い余韻を残していく。

Posted byブクログ

2014/10/24

久しぶりにウールリッチを読んだら解説が小泉喜美子さんだったといううれしいおまけが。 第三者の視点からの詩的な語り口で、登場人物たちの悲劇を過度にドラマチックにすることなく、むしろどこか冷ややかに綴っていく。ドライというのはまた違って、悲しみに慣れて受け入れてしまっているような雰囲...

久しぶりにウールリッチを読んだら解説が小泉喜美子さんだったといううれしいおまけが。 第三者の視点からの詩的な語り口で、登場人物たちの悲劇を過度にドラマチックにすることなく、むしろどこか冷ややかに綴っていく。ドライというのはまた違って、悲しみに慣れて受け入れてしまっているような雰囲気がとても好きです。それなのに、ゆっくり浸りながらというよりは続きが気になってかなり早く読み進めました。章が進むごとにMの復讐は難しくなっていくのにそれでも成し遂げてしまう。どんな方法で、どの相手を?というのも気になりますし、余計なことながら「一番大事な女性」に選ばれなかった人たちは歯軋りしたくなるくらいだろうなぁと勝手に話を膨らませ。そして最後の「この方法は正しいのか」という問いが命がけの絶叫のように聞こえます。悪気がないではすまされない、運が悪かっただなんて受け入れられない、だからって故意に人の命を奪うことは許されなくて、そんな人であってもこんなふうに騙していいとは思えなくて…。 この身動きのとれない苦しい感じが、日常生活での行き詰りと相まって、小説のなかでは訪れる一応の終結に、現実に対応する諦めを分けてもらえる気がします。

Posted byブクログ

2011/08/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

それは本当に悲しい偶然だった― ある夜、ひとつの街角で愛する人を待っていた可憐な少女は理由もわからぬまま命を落とす。 原因は遥か上空を飛ぶ飛行機から赤の他人が投げた1本の空き瓶だった。 不幸にも恋人を失った青年は妄執の鬼と化し、原因を作り出した見知らぬ他人の命を一人ずつ狙っていく― サスペンスの名手、ウールリッチが手がけた血も凍る西洋版仇討ち物語。 ウールリッチらしい無慈悲な結末も相まって、青年の虚しさや悲しみがひときわ浮かび上がっている。

Posted byブクログ