二十歳の火影 の商品レビュー
宮本輝の青春時代から…
宮本輝の青春時代から作家デビューまでを描いた自伝的エッセイ。「青が散る」など作品のモチーフとなった出来事についても語られていて、ファン必見のエッセイ集です。
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
宮本輝さんの本が好きで、結構読んでいます。先日、古本屋で購入、読みました。宮本さんのいろんな作品のベースになったいる少年時代青年時代のことが分かって、ますます宮本さんのファンになりました。二十歳かあ、遠くなりました。
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宮本輝さんの最初の随筆集。奇想天外なストーリーでハラハラドキドキ、、というわけではないのに、どんどん先を読みたくなって、なんか前向きになれる。そんな読後感は、小説と通じるところ。
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子どもの頃から 芥川賞を受賞し,その後随筆を 書くに至った 時々の 宮本輝の スケッチ。 流転の海にでてくる 熊吾のような父は もはや存在せず、落ちぶれた父親。 ちょっと神経質な 母親。 そして、屈折した 宮本輝が 浮かび上がる。 小説のネタが ちりばめられていて、 コピーラ...
子どもの頃から 芥川賞を受賞し,その後随筆を 書くに至った 時々の 宮本輝の スケッチ。 流転の海にでてくる 熊吾のような父は もはや存在せず、落ちぶれた父親。 ちょっと神経質な 母親。 そして、屈折した 宮本輝が 浮かび上がる。 小説のネタが ちりばめられていて、 コピーライターから 小説家になろうとした その決意が 平易に語られている。 吉野せいの「洟をたらした神」が きっかけとなる。 泥の河 蛍川 道頓堀川。 川に,みずからの人生をたくす。 たしかに 言葉の操り方が たくみで すんなりとはいってくるのがいいね。
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旅の間中、何度も読み返した。傑作。いつものことだけど、この人の短編には、後の長編作のバックグラウンドや大元のストーリーが潜んでいて、おもしろい。。ふふ。。教科書に載せるレベル。
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泥の河~蛍川~道頓堀川川を見ながら、おとなになった 宗右衛門町に映画『道頓堀川』の舞台のモデルとなったジ々ズ喫茶「オグラ」がある。ウッドを基調にした温かい雰囲気の店だ。 大きなスピーカーから流れるジャズを聴きながら、本を読む。窓からは、噴水とネオンで美しく輝く道頓堀川が見え...
泥の河~蛍川~道頓堀川川を見ながら、おとなになった 宗右衛門町に映画『道頓堀川』の舞台のモデルとなったジ々ズ喫茶「オグラ」がある。ウッドを基調にした温かい雰囲気の店だ。 大きなスピーカーから流れるジャズを聴きながら、本を読む。窓からは、噴水とネオンで美しく輝く道頓堀川が見える。水面に己の虚像映した青春時代宮本輝はエッセイ集「二十歳の火影」の冒順に、こう書いている。 『「泥の阿』は、大阪の堂島川と土佐堀川がひとつになり、安港川と名称を変えていく地点を糾合あった。昭和〕〒年の詣であるノ深く幅広く、いつも黄土色で、洩航するポンポン船のかたわらを鰹や鮒が横切っていくのんびりした川であったが、身元不明の溺死体や、まだへその緒のついた赤子の死体などが、ゆらゆらと流れてくることも珍しくなかった。 (略)数 年後、水の都から鰹や鮒は姿を消した。メタンガスのあぶくと塵埃と、ネオンの寒々とした色に覆われた汚れた運河が、私の前を流れるようになっていた。そして南の賜り場に生きる無頼の人間達の難い生温かい熱情に包まれて、私はおとなになっていったのだ。死人の回めような道頓堀川の水面に己の虚像を映しながら、私但青春の一時期を酒と煙草と賭け事でごしてしまった。」『泥の河」の子どもが『蛍川」の少年になり「道順搦川」の青年になったのだ。主人公はそれぞれの川を見ながら育ち、生きてきた。 私は店を出て、大安衛門橋まで引き返す。今は無き角座の前に、古びたビリヤードがあったような気がするが、この辺りは随分変貌しているので確かめようもない。
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受験勉強の中で目にし、非常に印象に残っているエッセイが一つ、あります。 それは、この本に収録されている「途中下車」という一編。 確か、受験問題(か予備校の演習問題)で触れた一編でした、分量としては2-3ページ程。 当時10代であった自分はその内容にものすごく感情移入し、心にしっ...
受験勉強の中で目にし、非常に印象に残っているエッセイが一つ、あります。 それは、この本に収録されている「途中下車」という一編。 確か、受験問題(か予備校の演習問題)で触れた一編でした、分量としては2-3ページ程。 当時10代であった自分はその内容にものすごく感情移入し、心にしっかりと刻み込みました。 その前後もしくは続きが読みたくて読みたくて、大学に入ってからも図書館や書店などを「途中下車」の題名をキーワードに、 当時(1990年前半)はネットなんて便利なものはありませんでしたから、必死に歩いて探した覚えがあります。 結局はそのやり方では見つからず、大学図書館で宮本さんの全集を片っ端から漁り、 そこで初めて、問題に出ていたものが全文でエッセーの一つであったこと、を知りました。 青春時代の甘酸っぱい淡い恋心、そして、その残酷さ、「今」であれば、こう表現してしまいますが、 当時は、ただ、ただ共感してました、等身大の自分と重ねていたのだと思います。 そういえば自分も、地元の国立後期試験を受けに行く途中に、ちょっとだけ道が重なった人がいました。 名前は交わさずに「頑張りましょう」との言葉を交わしただけでしたが、、元気だろうか。 なんてことを思い出しながら、久々に読み返してみました。
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宮本輝さんが○○○○○ということも知らずに何度も読み返したものだ。 何度読んでもしーんというかしみじみというか、よかったなあ。
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