アムステルダム の商品レビュー
アムステルダムの医師なら出来る、尊厳死の使い方… ラストの行方はお互い合意していたのかしていなかったのか。
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強烈。ひどい状況が、どんどん凄まじくなっていく過程がすごい。ここまで!こんなにも!うわぁーーと叫びたくなるほどの結末。 山歩きのシーンで創作過程を邪魔されて、もう少しで手に入りそうだった「何か」が逃げていきそうなところの描写など、とてもリアル。 どっぷりとイアンマキューアンの...
強烈。ひどい状況が、どんどん凄まじくなっていく過程がすごい。ここまで!こんなにも!うわぁーーと叫びたくなるほどの結末。 山歩きのシーンで創作過程を邪魔されて、もう少しで手に入りそうだった「何か」が逃げていきそうなところの描写など、とてもリアル。 どっぷりとイアンマキューアンの世界に引き込まれました。
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<数々の愛人関係を築いてきた女性モリーの死。 彼女の遺した写真が巻き起こすスキャンダルは 大臣や編集長、作曲家などの高い階層の人々を巻き込んでいく。> 著:イアン・マキューアン ブッカー賞受賞作。 200ページほどでありながら、それほど真新しくない筋でありながら、 め...
<数々の愛人関係を築いてきた女性モリーの死。 彼女の遺した写真が巻き起こすスキャンダルは 大臣や編集長、作曲家などの高い階層の人々を巻き込んでいく。> 著:イアン・マキューアン ブッカー賞受賞作。 200ページほどでありながら、それほど真新しくない筋でありながら、 めちゃめちゃ知的な文体が読者を物語の中へひっぱります。 これはかっこいいわ。 でも他の著作はもっと気持ち悪かったり、衝撃的だったりするらしい。 次も読んでみよう。 ・・・なんかレビューになってないね 苦笑 読んで時間をおいて書くもんじゃないわ。
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98年ブッカー賞受賞作品。 前半部分は筋がいまいちつかめず、気が付いたら要所だったという急展開で多少辟易していたが、後半は流れに乗ってすんなり読むことができた。 主な主人公である二人の男性の共有(?)愛人であるモリーが亡くなったことにより、二人の独善的な道徳観がむき出しになり...
98年ブッカー賞受賞作品。 前半部分は筋がいまいちつかめず、気が付いたら要所だったという急展開で多少辟易していたが、後半は流れに乗ってすんなり読むことができた。 主な主人公である二人の男性の共有(?)愛人であるモリーが亡くなったことにより、二人の独善的な道徳観がむき出しになり、社会的破滅へと追いやっていく。 各個人は、大義だったり建前だったりと道義的精神に乗っ取って行動しているつもりだが、その二人言動を第三者的視線(読者)からみると偽善性が浮き彫りになる。しかしこれは他人事ではなく、人はみな自分の経験や地位や社会という尺度によって物事を判断していることを忘れてはならない。本書はその矛盾を鋭い視点で描写している。
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マッチョな小説である。奔放な女性モリーが亡くなった後、元恋人だった3人がモリーが残した写真を中心に、複雑に絡み合う。 その3人のうち作曲家のクライヴと新聞社の編集長のヴァーノンが本書の主役である。ふたりともかなり俗物的。そしてそのエゴがぶつかり合う先は… 醜悪なストーリーであ...
マッチョな小説である。奔放な女性モリーが亡くなった後、元恋人だった3人がモリーが残した写真を中心に、複雑に絡み合う。 その3人のうち作曲家のクライヴと新聞社の編集長のヴァーノンが本書の主役である。ふたりともかなり俗物的。そしてそのエゴがぶつかり合う先は… 醜悪なストーリーであるが、ところどころに見られるマキューアンの描写はさすがである。例えばクライヴの作曲しているところや、ヴァーノンと部下のフランクとの間の微妙な力関係の移動を伴ったやり取り、クライヴの山歩きのシーンなどである。こららがこの作品を下品に落ちるところから救っている。 「贖罪」に比べれば完成度は低く感じるが、面白いことは面白い。
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イアン・マキューアンにはずれはありません。 僕にとってはお気に入りの現代作家の一人。どういうわけか体質?的にイギリスの作家はしっくりきます。小説の世界にすっくり入っていけるわけです。 この著者の作品には粘着質的な文体もありますが、本書はドライでシンプルかつエレガント。題材は相変わ...
イアン・マキューアンにはずれはありません。 僕にとってはお気に入りの現代作家の一人。どういうわけか体質?的にイギリスの作家はしっくりきます。小説の世界にすっくり入っていけるわけです。 この著者の作品には粘着質的な文体もありますが、本書はドライでシンプルかつエレガント。題材は相変わらずショッキングなもの(合法的な自殺を装った相互殺人?)を取り上げていますが、そこに辿り着くまでの道行きが物語の中心です。それはひとりの女性を巡る三人の男たちの輪舞であり、それぞれが若かりし頃、彼女と関係を持ち、現在は社会的に成功をおさめ、地位や名声、お金を手にしてますが、若年性アルツハイマー病で?亡くなった彼女の無残なまでの死に様を目の当たりにし、そこに自らの死の面影を見いだしてしまいます。 やがて男たちのうち二人が、いくつかの偶然や互いの思惑違いから軌道を外し正面衝突します。 当初は破滅させられそうな状況だった男が結局は生き残るのですが、もちろんそれなりの代償を払ってのことです。彼が一番嫌なヤツで嘘つきであるにもかかわらず、もしかしたら亡くなった女性と付き合っている当時、一番正直だったのではないか。自分や彼女に対し・・・読み終えた後、僕はそう想像せずにはいられません。こうした余韻に引きづられるのも小説を読む楽しみなんでしょう。
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一人の恋多き女性の死によって、歯車を狂わせた男たちの物語。 かつての恋人の葬儀で振り返した嫉妬と敗北感が、ボディブローのようにじんわりと男たちの冷静さを失わせる。 彼らは似た者同士だけに、友人関係が壊れた時は辛辣だ。 他人の道徳的立場を分析するように自己を認識することができない...
一人の恋多き女性の死によって、歯車を狂わせた男たちの物語。 かつての恋人の葬儀で振り返した嫉妬と敗北感が、ボディブローのようにじんわりと男たちの冷静さを失わせる。 彼らは似た者同士だけに、友人関係が壊れた時は辛辣だ。 他人の道徳的立場を分析するように自己を認識することができないのは普遍的な人間の弱さなのか。 社会的地位がある人でも、堕ちる時はあっけない。 そんな彼らを見て静かに微笑む男のしたたかさこそが勝者の条件であるとしたら、何とも苦い世界である。
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うーん、なんだか嫌な本だ。マキューアンは個人的にあんまり好みじゃないのかもしれない。出だしからあんまりそそられず、中盤からまあまあ面白くなってきたけど、おそらくコレってそういうことなんじゃないかな、と想像できて、そもそもタイトルがアムステルダムだし、登場人物に作曲家がいるし、コン...
うーん、なんだか嫌な本だ。マキューアンは個人的にあんまり好みじゃないのかもしれない。出だしからあんまりそそられず、中盤からまあまあ面白くなってきたけど、おそらくコレってそういうことなんじゃないかな、と想像できて、そもそもタイトルがアムステルダムだし、登場人物に作曲家がいるし、コンセルトヘボウの栄誉があるし、と、ある種の人々には大変リアリティがあり面白く読める本なのかもしれない。分かりやすく言えば、イギリスらしい内容の本であるとも言える。うまいぐあいにまとまった結末なんだけれども、部分的によく分かりにくいところがあり、なんとなく読むのにつっかえる感じがする。この違和感はなんだろな。
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ラストがちょっとうまくいきすぎな気もするけれど、おおむね面白かったです。ハラハラして。ただ、誰も幸せにならない。強いていうなら、モリーの夫が黒い喜びをかみ締めたというところかしら。
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途中あたりは面白い(大スクープに足をすくわれるところなど)し、文章も読みやすいけれど(これは翻訳で読んでいるので、なんともいえませんが)、他のマキューアン作品と比べると、もの足りない感じで終わってしまいます。期待が大きかっただけに、ちょっと残念!
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