実録「取り立て屋」稼業 の商品レビュー
「サラ金」の社員を世間一般で考えた場合、「ナニワ金融道」のようなイメージが強い。 パンチパーマで手には指輪。関西弁で「おい、こら!」とまくしたてる口調。 やはり恐い印象を持たせないと、借りたお金が返ってこないわけだ。 確かにそういう金融会社の人は存在する。 しかし、「...
「サラ金」の社員を世間一般で考えた場合、「ナニワ金融道」のようなイメージが強い。 パンチパーマで手には指輪。関西弁で「おい、こら!」とまくしたてる口調。 やはり恐い印象を持たせないと、借りたお金が返ってこないわけだ。 確かにそういう金融会社の人は存在する。 しかし、「サラ金」というのは正式には消費者金融業といい、一部上場企業もあるわけだ。 その中で働いている人たちがみなパンチパーマかと言えば・・そんなことはない(笑) 男性も女性も、会社に貢献するために汗を流して仕事をしているのだ。 しかし、この本で書かれている「某大手消費者金融会社」の実態。 お金を取り立てることはゲーム感覚になり、人の嫌がることをすることによって実績を上げる。 なかなか支払いに応じない多重債務者が自殺し、団体生命保険からお金が返ってくることに喜ぶ会社。 ・・・だんだんと主人公は「これでいいのか?」と自問自答するのだ。 彼は結局、4年後に退職する。そして現在は、多重債務者の相談員として活動しているとのことだ。 多重債務に陥る原因は、決してギャンブルや浪費だけでなるわけではない。 突然のリストラや病気で収入が絶たれ、それでも生きていくためにお金を借りる場合もある。 一概には言えないが、決して消費者金融業が「社会悪」と切り捨てることにはならないだろう。 借りるほうも貸すほうも、きちんとルールを守る・・その実現ができさえすればいいのだが。
Posted by
- 1