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天鵞絨物語 の商品レビュー

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何不自由なく育ったお嬢様・品子の一途な生き様

昭和初期の上流階級で、何不自由なく育ったお嬢様・品子。結婚後も他の女性に愛を捧げ、奇妙な三角関係への理解を求める夫に対し、報われない愛を注ぎ続ける品子。その一途な生き様を、鮮やかに描いた物語。

midori

2022/06/14

昭和初期の上流階級を描いた作品。 戦争を挟んで、日本人の意識が大きく変わる大きな流れの中で、少女が人を愛するとは何かを、自分なりの答えを見出す物語です。 今と違い、お妾が公認されている時代だと思うけど、この作品ではそういった意識は感じられない。 林真理子作品として読んでいたの...

昭和初期の上流階級を描いた作品。 戦争を挟んで、日本人の意識が大きく変わる大きな流れの中で、少女が人を愛するとは何かを、自分なりの答えを見出す物語です。 今と違い、お妾が公認されている時代だと思うけど、この作品ではそういった意識は感じられない。 林真理子作品として読んでいたので、もう少したくましい女性になることを期待していましたが、予想外の最後でした。 しかし女性の細かい感情を描くのはさすがです。

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2019/05/21

裕福な家庭で育ち、初恋の相手泰治と婚約した品子は幸せの絶頂にあった。だが結婚後も夫の心は気高く美しい大使令嬢の真津子に向いていた。妻にも祝福される恋をしたい。そんな泰治の理不尽な求めにも素直に従い、品子はひたむきに愛を貫く―。昭和初期の華やかな上流社会を舞台に、男性に翻弄されつつ...

裕福な家庭で育ち、初恋の相手泰治と婚約した品子は幸せの絶頂にあった。だが結婚後も夫の心は気高く美しい大使令嬢の真津子に向いていた。妻にも祝福される恋をしたい。そんな泰治の理不尽な求めにも素直に従い、品子はひたむきに愛を貫く―。昭和初期の華やかな上流社会を舞台に、男性に翻弄されつつも、逞しく成長する一人の女性の生き様を描いた長編小説。

Posted byブクログ

2015/08/22

【昭和初期セレブの愛憎モノ】 まずは煌めく生活描写に浸れる。文化学院に、軽井沢の別荘に資生堂パーラー! 林真理子の描くハイティーンものは現代のもいくつか読んだが、やはりこうした時代物のが、古風でドロドロした語り口がぴったり合う。 泰治の身勝手なお坊っちゃまぶりは異常。ただ、元...

【昭和初期セレブの愛憎モノ】 まずは煌めく生活描写に浸れる。文化学院に、軽井沢の別荘に資生堂パーラー! 林真理子の描くハイティーンものは現代のもいくつか読んだが、やはりこうした時代物のが、古風でドロドロした語り口がぴったり合う。 泰治の身勝手なお坊っちゃまぶりは異常。ただ、元々品子は、リベラルな教育を受けた、周りを静観するタイプの人間なのに、泰治との異常な主従関係に陥る要素ってそんなに無いよね?と思った。特に結婚するシーンは少々唐突だった。 あと、もう少し真津子の内面を覗きたかったな。戦争中の場面はバタバタ走り過ぎ、唐突なフィナーレという感じだった。

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2014/04/08

信じられない男の身勝手ぶり。 君は僕が恋愛でうまくいって幸せなら幸せだろ?と妻に平然という男。 最低極まりない。 最後には愛人の子を妻に預けて立ち去るなんて、ありえなさすぎる。

Posted byブクログ

2013/04/01

「妻にも祝福される恋をしたい」と夫は言ってるけど、私だったら憎悪になるだろうな。 それでも自分が選んだ道だから、後戻りが出来ない。かなくなな愛…じゃなくて、融通がきかないだけ。 でも、気持ちは分かるような。泣いちゃったもん。

Posted byブクログ

2012/02/25

美輪さんがよくおっしゃっている、戦争前の軍国主義の前の素敵な日本の美意識だったり文化だったりが身近にたくさんある日本の様子が目に浮かんできた。 といっても、ごくごく一部の上流階級の世界の話だけれど、やっぱり素敵な日々がイメージできてうっとりする。 ラストがしっくりときた。

Posted byブクログ

2010/02/05

林真理子の作品が読みたくなり、 図書館で借りる。 物語としては面白く 書けていると思うが、 とくに心に残るものがなかったので、 ★3つにした。

Posted byブクログ

2010/01/26

好きな男性の気持ちが、結婚前も結婚後も他の女性にあるという苦しい心情が痛いほど伝わってきたけれど、それでも諦めない品子の執念がいまひとつ理解できなかった。 「僕の幸せは君の幸せだろう。僕が幸せになることを君はとても喜んでくれるだろう」 信じられないほどに身勝手な泰治の考え・...

好きな男性の気持ちが、結婚前も結婚後も他の女性にあるという苦しい心情が痛いほど伝わってきたけれど、それでも諦めない品子の執念がいまひとつ理解できなかった。 「僕の幸せは君の幸せだろう。僕が幸せになることを君はとても喜んでくれるだろう」 信じられないほどに身勝手な泰治の考え・行動を理解することはできないし、そんな泰治を待つと決めて、最後には他の女との間にできた子どもを育てる決意さえする品子の執念はやはり理解できるものではない。 幼いころから何でも手に入れてきたお嬢さまの子どもっぽい欲(所有欲)のようにも思えるし、もはや「愛」ではないような気がする。 解説の酒井順子さんが言うように、品子は泰治の心を一度も所有したことがないがゆえに、「所有したい」という極めて強い欲求が、彼女の心の中では「愛」という美しく心地よい言葉とすり替わってしまっているのでは。

Posted byブクログ

2009/10/07

現代モノは読まないのだけど、この人の描く昔の女の物語が好きだな。 不幸になりつつも「生きてゆく」昭和初期の時代背景や文化、服装、言葉遣いなどの描き方がうまくて、ストーリー展開とともにさらりと流れる文章はさすが!!

Posted byブクログ