日本人の遺書 の商品レビュー
何度もグッときながら読みました。 長い時間をかけて、少しずつ。 善悪や正当性の判断はもちろん誰にもできないけれど、 そこには一人の人間がきっと凝縮されてるのでしょう。 特に戦争に殺された人たちの言葉は、胸に迫ります。 今さら知っても仕方ない、じゃなくて やはり私は知...
何度もグッときながら読みました。 長い時間をかけて、少しずつ。 善悪や正当性の判断はもちろん誰にもできないけれど、 そこには一人の人間がきっと凝縮されてるのでしょう。 特に戦争に殺された人たちの言葉は、胸に迫ります。 今さら知っても仕方ない、じゃなくて やはり私は知りたいと思う。
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080904購入。080909読了。 遺書の内容としては白洲次郎と江藤淳のものが印象に残った。ただ、衝撃の程度で言うとやっぱり奥、岸上、高野あたりは強烈である。絶対的な思想を求めるが、現実に挫折し、実現できない自己に嫌悪する。挫折がゆっくりと確実に彼らの正体を暴き始めるのだ。本当...
080904購入。080909読了。 遺書の内容としては白洲次郎と江藤淳のものが印象に残った。ただ、衝撃の程度で言うとやっぱり奥、岸上、高野あたりは強烈である。絶対的な思想を求めるが、現実に挫折し、実現できない自己に嫌悪する。挫折がゆっくりと確実に彼らの正体を暴き始めるのだ。本当に闘争したいのか?何のために?知識だったり意志だったり勇気だったり。彼らにはどれかが欠けていた、いや、自己を欠けさせなければその種の強靭さは手に入らないのかもしれない。彼らは真面目すぎた。誰からも認められない自己は、ついに自己自身がそれを見放す。襲い掛かる孤独と厭世観に沈みきると、もう抜け出すことはできなかった。死の覚悟を生きることに賭けるべきだったのにという言葉に僕は与するつもりはない。ましてや沈潜した彼らはそんな言葉を耳にするはずはない。
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