声の狩人 の商品レビュー
学生時代、 鬱々とした夜に幾度も読み返した「裁きは終りぬ」。 開高の一言半句が私を救ってくれた。
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パリ、イスラエル、ソビエト、そしてサルトル対談。彼が掻っさらっていったのはすべて生声だ。国家と民衆との壁核と権力との壁その壁から剥がれ落ちていく砂のような声までひとつひとつ削って持ち帰る。もし彼が生きていてNHKのプロフェッショナルでもいいそういう類の番組にゲストで迎えられあの茂...
パリ、イスラエル、ソビエト、そしてサルトル対談。彼が掻っさらっていったのはすべて生声だ。国家と民衆との壁核と権力との壁その壁から剥がれ落ちていく砂のような声までひとつひとつ削って持ち帰る。もし彼が生きていてNHKのプロフェッショナルでもいいそういう類の番組にゲストで迎えられあの茂木博士に「開高さんにとってプロとは何ですか?」なんて聞かれたら彼はいったいどんな風に答えるだろうなんてことを想像してみた。「ああ。それは私以外の人のことを言うんじゃないの。」とか。たぶん。そんな感じ。司馬遼太郎曰く、彼の文体は「地軸を掘り抜くまでの掘削力がある」と言っている。
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