須賀敦子全集(第5巻) の商品レビュー
まず率直に文章が気に入った。彼女の文章をもっと味わいたいと思った。 『真夜中の子供たち』にモンターレがノーベル文学賞を受賞するという件があって、思わず「誰?」となってしまった。そういえば、イタリアの詩人って知らないなあ。ダンテと、それからぎりぎりペトラルカ。近代の詩人となるとも...
まず率直に文章が気に入った。彼女の文章をもっと味わいたいと思った。 『真夜中の子供たち』にモンターレがノーベル文学賞を受賞するという件があって、思わず「誰?」となってしまった。そういえば、イタリアの詩人って知らないなあ。ダンテと、それからぎりぎりペトラルカ。近代の詩人となるともうお手上げ。それじゃまずくね?と思って読んでみた。 5人の詩人が取り上げられているのだけれど、どれも素朴に楽しめた。もう少し読み込んで、彼らの違いまで見て取れるようになりたいな。それからガブリエレ・ダンヌンツィオとか、ちょっとだけ知ってる詩人の名前もやっぱりあって、「そういえばいた!」とか、「頑張ってるやん!!」みたいな感情になった。「燕の歌」しか知らなくてごめんね。 ミケランジェロの手紙も、大芸術家の生身性みたいなのを感じられた。ユリウスもレオも金勘定がテキトーだ。ミケランジェロも怒るが、ビミョーに記憶違いだったりするのも面白い。システィーナ礼拝堂の絵を描くときの苦労譚も抜群に面白い。
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須賀敦子 「ウンベルトサバ詩集」など 河出文庫 全集5 詩に慣れていないので、口語体の自由詩に戸惑う。まして 外国の詩となると ハードル高い。 〈サバの特徴、命題、背景〉 抒情詩(内的感動の表現)、トリエステの地、愛妻リーナ、ユダヤ人の孤独 あたりを意識しながら読んでみる ...
須賀敦子 「ウンベルトサバ詩集」など 河出文庫 全集5 詩に慣れていないので、口語体の自由詩に戸惑う。まして 外国の詩となると ハードル高い。 〈サバの特徴、命題、背景〉 抒情詩(内的感動の表現)、トリエステの地、愛妻リーナ、ユダヤ人の孤独 あたりを意識しながら読んでみる 「トリエステには〜ぼくが自分を映してみる道がある」とか「トリエステには 乱暴な優しさがある」とか。トリエステに行きたくなる もう少し 須賀敦子さんの書評みたいのがあれば 良かった
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サバを愛する著者にしかあらわせない表現だとおもった。イタリアでこの詩が愛されたように、著者もその原語の響きを何度も味わい、そうして、日本語のひびきでその素晴らしさを再現しかがやかせるためにはどうすればよいのだろうと苦心したようすが伝わってくるようだ。名訳だとおもう。
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第5巻は『イタリアの詩人たち』『ウンベルト・サバ詩集』『ミケランジェロの詩と手紙』『歌曲のためのナポリ詩集』を収録。そのうちエッセイは『イタリアの詩人たち』のみで、残りは全て翻訳。 詩の善し悪しはよく解らないが、読んでいると落ち着いた気持ちになる巻だった。
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著者によるイタリア語の詩の翻訳をまとめた巻。 単行本「イタリアの詩人たち」、「ウンベルト・サバ詩集」の他、単行本未収録の「ミケランジェロの詩と手紙」、「歌曲のためのナポリ詩集 17世紀〜19世紀」を所収。
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