やがての螢 の商品レビュー
京都の風呂屋をメイン舞台に描かれた市井の人々の物語。男と女が生きてんだな、ということを感じるお話が詰まってた。彼らのトラブルに入り込んでいく二人の謎の男たちの姿もかっこいい。 人々の話と平行して、二人の男の謎、やり取りも同時に興味惹かれ。社会における力のありそうなあれこれとか、...
京都の風呂屋をメイン舞台に描かれた市井の人々の物語。男と女が生きてんだな、ということを感じるお話が詰まってた。彼らのトラブルに入り込んでいく二人の謎の男たちの姿もかっこいい。 人々の話と平行して、二人の男の謎、やり取りも同時に興味惹かれ。社会における力のありそうなあれこれとか、血生臭さもあったり…。京都はいろんな世界で成ってんだなと勉強にもなった。(話は置いといて、と結構細かく時代や事情などいろんなことを説明されてる文章が入ってたけど、読んでて邪魔とは思わずふむふむと) 影のある、裏のある人の姿がかっこいいと思ってしまうのがフィクションの世界だな…。
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7話からなる、『花籠の櫛』の第2弾に刊行された本で、ある。 主人公は、2人。 どちらも、剣の達人であるが、2人とも長屋に住み、隣同士であるにも関わらず、本当の自分をさらけ出さないでいる。 一人は、領主のお手付きで、誕生した眉目秀麗の十四郎。 もう一人は、按摩の彦一で、本当は、市...
7話からなる、『花籠の櫛』の第2弾に刊行された本で、ある。 主人公は、2人。 どちらも、剣の達人であるが、2人とも長屋に住み、隣同士であるにも関わらず、本当の自分をさらけ出さないでいる。 一人は、領主のお手付きで、誕生した眉目秀麗の十四郎。 もう一人は、按摩の彦一で、本当は、市隠であり、仕込杖を巧みに使う。 この二人が、京都の風呂屋「梅乃湯」を舞台に、くり広がれる人間の欲、ねたみ、嫉み、に、翻弄されながら、ひたむきに生き抜く町の人たちを助けながら、人情味ある作品である。 時代劇の面白さに、今回は、「梅乃湯」と言う風呂屋が、舞台の中心になるが、江戸の風呂屋の実態が、描かれている。 今の風呂と違って、柘榴口とか、初めは蒸し風呂だったとか、百匁ろうそくをともしたとか、、、、昔の風景が、述べられる。 江戸っ子の、洒落で、柘榴が、鏡を磨く時に使われ必要だったことから、「鏡要る」→「屈み入る」なんて、面白いと思う。 また『ぬごうぞ仮面』で、雑炊を食べるのに、織部十作の黒織部の茶碗を、使用する場面が出てくるが、其の内容も、興味深いものである。 彦一の市隠と言う仕事も、今までの時代劇を読んだ中に無かった職業であった。 第3弾が、出るのを楽しみにしている。
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