水のうつわ の商品レビュー

伊集院静(著者)

2020/10/06

疲れたとき、
僕はこの人の文体に浸る。

これは短篇のエッセイ集。

「まるい耳」に共感した。
京都祇園の鮨屋の主人が伊集院静さんにニヤリと笑って言った言葉。

「人間自信がない時が一番ええ時期どす」

なるほど、
そうかもしれない。

2013/02/27

一章一章に味わいがあり、伊集院文学を堪能できます。「人間自信がない時が一番ええ時期どす」（P70）、「人生が順調でないように、各々の人が背負った生きる条件はどれも楽なものはひとつもない。それでも人は生きて行く。そこが魅力的なのである。」（P171）、「教育は誉めることだ、と私は今でも信じている。」（P192）、「才能？そんなものは誰にだってないさ。相撲と同じだよ。毎日四股を踏んでいるうちに、少しずつ相撲が身について来るんだよ。」（P247）が印象に残りました。