サウンド・アナトミア の商品レビュー
ほとんどの音楽書というのは、音楽家または作品論であるわけだが、これはむしろ音楽の周辺にある言説にこだわりまくったもので、したがって高柳昌行の音源ではなく著作が問題とされ、清水俊彦、副島輝人のフリー・ジャズ論、大谷能生、佐々木敦の音響論などの音楽内部のものから、フーコーの臨床医学、...
ほとんどの音楽書というのは、音楽家または作品論であるわけだが、これはむしろ音楽の周辺にある言説にこだわりまくったもので、したがって高柳昌行の音源ではなく著作が問題とされ、清水俊彦、副島輝人のフリー・ジャズ論、大谷能生、佐々木敦の音響論などの音楽内部のものから、フーコーの臨床医学、埴谷雄高の永久革命、東浩紀のポストモダン、そして今福龍太の群島論(これは感動的)と、こう連ねるとまことにポストモダン的に見えてしまうが、眼目はその相対的ニヒリズムの超克なのである。音響的即興にその未来が担えるだろうか? ほとんどの文章がミクシィに書かれたという画期的なものでもある。
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