恋の心に黒い羽 の商品レビュー

ヤマシタトモコ(著者)

2010/09/11

もともと女の子をよく出す作風（？）みたいだけど、とりわけ女の子が多くて嬉しい。
さばさばしたカッコイイ女の子ばっかりなのです。

表題作はいつまでも心の中で反芻したくなる。
羽が先なのか、心が先なのか。

中頭は二神が性癖を盾にして求愛してくるから、腹が立ってるわけですけど。これが「ホモでＭ」っていう特殊な性癖じゃなければ、そんな違和感もつわけもない。
「あなたが異性だからじゃなくて、純粋に好きなんです」なんて言い方、中学生だってしないだろう。それじゃあ、そもそも恋愛感情なのかも分からないし（笑）

…まとまらないので、後日また書き足します。

2009/10/04

ヤマシタさんの作品はどれも好きですが…
特にMっ子に共感ｗｗ
別にMじゃないですが。

はい。羽があります。
背中から何かはえてくるんじゃねぇの？！
って思うくらい興奮する瞬間があるのですっごい共感します。

という話ですがｗｗ

ただ切ないですね。
好きだけど叶わないって分かってるのにそばにいたいなんて切ないです…

2009/10/04

かみさま、わたしはBLというものに大きなカンチガイをしていたのかもしれません。

めちゃくちゃ本を読む子に勧められて読んだら、すごかったよ。文学的な漫画だったよ。
気持ちをあらわすときに使う比喩、そのことばづかいがことごとくそれこそ「ハートに釘が刺さる」よね。

順番にさらっと。「ベイビー、ハートに釘」。はいこれさっき使ったけどモノローグがすごいいいよね
どうしようもなくどうしようもない二人で、カバー下見るまではハッピーエンドとか想像もしなかった
もうちょい何回か読み返して考えたくなる作品

「イッツマイチョコレート！」。兄弟がいいっぱいいる話。「おれだってちゃんとケーキもチョコも六分の一食べたかったよ・・！」がすき。表情もふくめて。
こういうふうに言葉で鎧うというか、あきらめてしまうことがわたしもあるので、それをはっきり言ってくれる相手がいる実は幸せなんじゃないかな。
あと本編に関係ないかもしれないけどちらっと出た「学くんがあたしの彼氏殴った」云々も気になります　兄妹で同じ学校とかまじスキトキメキキス

「悪党の歯」。このお嬢さんすき。闇をきりさくスマッシュ。
一度そのひとをヒーローだと思ってしまったら、その魅力にとりつかれたら、あとはもう何があったってそのビジョンは変わらないのかもしれないなあ、人生って。
卓球ということもあり、なんとなく「ピンポン」のペコとスマイルを思い出してしまった。

「恋の心に黒い羽」。表題作。好きだし、何回読み返しても新しい発見がある。
性欲が純粋な恋心の邪魔をする。
一つ一つの台詞がものすごく練りこまれた作品だと思うのでこれもまだ解釈とかは宿題。

「その火をこえてこい」。ああ、これ好き。完璧な短編。「火」や文学作品とからめて、口説き文句やモチーフがすごく心ときめきます。
六条くんは、なんだ、BLの受けのテンプレートのような性格をしているなあ。
かわいすぎてじゃっかん感情移入はできないが、見ててかわいいなあ〜とは思える。

「FOOL4YOU」。これ一番好き。
幼馴染がずっと好きででもそれだけは死んでもいえなくて、っていう話。
いわゆる当て馬的なキャラクターが泣きながらレイプするシーンでこっちも湯水のように泣いた（また感情移入するとこが違う）
バカのどこが好きって〜以降の流れはこっちもドキドキする。
長いあいだ培ってきた思いが充分熟して、それが溢れ出てきている感じ。かいま読者としてそれを覗き見ている感じ。
恋って、ああそうだよな、どうしようもないと知っているのにそれでもそこが好きだと思えてしまうことだよな、と、またちょっと「恋がしたい」と思わさせられたのでした。
いわゆるBLではとてもよくある、「なんで男と男が」という苦悩もちゃんとあってよかったです。
それがあるから切なくて当然なんだ。反則だ。イエローカードだ。

これはもうなんか、うーん、多分BLだからとかそういうレベルじゃないな。
でも自分のヘンな思い込み、いやほとんど偏見かな、をキレーに拭ってくれた作品。
素直に読み応えもあるし、質量もあるし、絵や構図なんかも漫画ならではな試みをがんがんやってるし、いい作品です。
もうちょっと読んでみたほうがいいのだろうかBL。

2009/10/04

夢見ないＢＬで良かったです。いろいろとシュールだった、いい意味で。表題作「恋の心に黒い羽根」と短編。イッツマイチョコレート！が私は好きでした。

2009/10/04

帯の「君に罵られたい、蹴られたい、好かれたい」に心を持っていかれ、ジャケ買いした1冊。そしてヤマシタ信者になりました。その火を〜がイチオシです。もうキュンキュンしすぎて涙が出ます笑　六条くんがかわいい！

2009/10/07

【 あらすじ 】
ドＭの二神は同僚の中頭に恋心を抱いている。「好き」という純粋な気持ちと、それを覆う汚れた性癖。交錯する感情の狭間で引き出される二神の本心とは…。

短編６編と、描き下ろしショート漫画１編、描き下ろしおまけ漫画３編。

１　「ベイビー、ハートに釘」高校生←同級生＋姉
ゲイの弟を持つ姉視点の話。ゲイ弟せつな…。
２　「イッツマイチョコレート！」リーマン×同僚（６人兄弟の長男）
ゲイをカムアウトできない、お兄ちゃん大変だ。にぎやか話
３　「悪党の歯」ヤクザ社長←窓際ヤクザ（ヒゲ）＋ヤクザ社長の娘
ヒゲの独白を辛辣な言葉で（でもほんとは優しい）受け止めてあげる女の子の話。
４　「恋の心に黒い羽」ケーキ屋バイト（ドＳメガネ）←同僚（ドＭ）
メガネの罵りがたまらんｗｗｗ「お願いもっと汚く馬倒して……！」となっちゃうドМも面白い。とってもヤマシタさんらしい作品で好きです。
５　「その火をこえてこい」体育会系高校生×文化系高校生
６　「FOOL 4 U」バカ（メガネ）×長年片想いゲイ
７　「フォトジェニク」バリタチデリヘルボーイ×お客のリーマン

2009/10/04

表題作かなり好きですね。性癖の不一致って大事ですよね〜。ポジティブなマゾって実にやっかいだ。
ずっと軽いのりでお話が進んでいくから、最後のあの自分勝手で真剣なせりふに切なくなりました。
あと、ねえちゃんと根暗な弟のどうにもならない話とかすごい好きです。
今回は割りと傍観者視点のストーリーが多くて、それがすごくよかった。ヤマシタさんはおんなのこが絡む話がすごくいい。エロはあんまりなくて、お話がすごくぐっとくるものが多かったです。

2009/10/04

ヤマシタトモコにだだハマり中なあたし･･･
絶賛作家買い中です。

純粋に恋する心は確かにあるんだけど、人間なので性欲っていう黒い羽も持っている、というのがタイトルのお話。その他に短編がいくつか。

中学生とか高校生に経験する一方的な恋が一番純粋なのかしら･･･とも思うんだけど、でもじゃあ純粋って何って聞かれると説明出来ない。おとなの恋愛はいろんな情報や打算が多すぎて、本当に好きなのか愛しているのか身体だけなのか寂しいからなのか満たされないからなのか、はっきり説明出来ない気がする。
大概はいくつかの理由が混じっていて、その中にはやっぱ相手を思う心以外のものも多分に含まれているんだよなーと。

このタイトルの主人公は、好きな男子に告白したときにその相手に暴言を吐かれ、それがきっかけで、好きな気持ちも確かなのに「苛められてる俺、ゾクゥ〜」ってなってしまった人です。

「首輪付けて引っ張りながらでもいいから一緒に帰って」
「･･･あえて普通に帰ってやる」
「あ、そーゆーのも、それはそれで･･･放置プレイ的な･･･」
に笑った。

2009/10/04

ドＭの二神は同僚の中頭に恋心を抱いている。
好きという純粋な気持ちと、それを覆う汚れた性癖。
交錯する感情の狭間で引き出される二神の本心とは---。

表題作の「恋の心に黒い羽」より、「イッツ　マイ　チョコレート！」「悪党の歯」が好きだった。
イッツ〜は大人数の兄弟の長男が主役、超気持ちわかるよにいちゃん
悪党〜は組長のことが好きなヤクザと組長の娘の会話で成り立っている作品。

2009/10/04

この作者の言葉の選び方が私の心の琴線に触れる。
薄暗い感じの絵柄も好きだし、全部が全部ハッピーエンドじゃないけど
そこにも何故か安心する。