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CODE VERSION2.0 の商品レビュー

4.4

12件のお客様レビュー

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2013/09/01

長かった。少なくとも、自分にとってはそう感じられた。でも、読むのにかかった時間あたりで得られたものはかなり大きくてとても貴重だとも思う。 すごく網羅的な書き方をしていて、一見冗長にも思えたけれども、それは必要なことを出来る限り述べようとしているんだということは、一旦集中してしまう...

長かった。少なくとも、自分にとってはそう感じられた。でも、読むのにかかった時間あたりで得られたものはかなり大きくてとても貴重だとも思う。 すごく網羅的な書き方をしていて、一見冗長にも思えたけれども、それは必要なことを出来る限り述べようとしているんだということは、一旦集中してしまうとずっと読み続けられる文章だ、ということから言えると思う。網羅的なので、これを起点として規制に関する議論を調べたり、それこそ自分も議論に参加したりできるような、指針を示してくれる本。 どの節も興味深い内容なのだけれども、特に新鮮、興味深かったのは以下。「規制には4つのやり方がある」「隠れたあいまいさから来る、価値観の議論の必要」「規制は信じる。政府は信じづらい」「間接的な規制は責任の所在をかなり曖昧にするし規制そのものを気づかれにくくする」「アメリカでは著作権法が思わぬところで出てくる」「フィシュキンの世論調査」そして最後に「自由が欲しいなら政府と共に規制に取り組まなければならない」と著者自身が言っておきながら「でも希望は持ってない、多分デクラン派が勝つと思う」と若干悲観的にも思える筆致。 なお、この本を読むときは出版社の正誤表 http://www.seshop.com/book/errata/8446/list がないと少々きつい。読み始める前に該当箇所を全部直してしまうことをおすすめする。同頁で全文が zip 形式で公開されてるし。 大学に入ったら、また読みたいと思う。その前に、見たくないものも少しは見て、何もしないよりは何かしようと思います。

Posted byブクログ

2010/09/10

「インターネットと法」というようなジャンルになるのだろうけれど、これはそういう狭い範囲の話ではぜんぜんない。たしかに全編にわたってネットの事例が沢山出てくるし、プライバシーとか著作権とかの話もある。でも、ネットは考えられるべき話の発端なんだと思う。 ネットやIT技術の進展は規制...

「インターネットと法」というようなジャンルになるのだろうけれど、これはそういう狭い範囲の話ではぜんぜんない。たしかに全編にわたってネットの事例が沢山出てくるし、プライバシーとか著作権とかの話もある。でも、ネットは考えられるべき話の発端なんだと思う。 ネットやIT技術の進展は規制の実現可能性を高めるし、そうした技術の総体としてのアーキテクチャ自体が規制そのものとして参加者をコントロールしていく。それは、従来のコスト的にも技術的にも穴だらけの回避可能な規制ではなくて、回避がほとんど不可能ないわば法の完全執行が実現される世の中を作りだしうる。 そして、そんな完全執行が実現したとき、法は立法者がその法に託した状況を実現できるのかといえばそんなことはないだろう。たぶん過剰な規制が実現されてしまうんじゃないだろうか。法がそうした技術を想定していなかった、という運用上の不備なんかのレベルじゃなくて、法の考え方や体系まで考えなくてはならないようなものになりかねない。 だからこそ、法や制度、規範をどう考え直すのか、そこからどんな選択をしていくのか、が問われるはず。そして、それはとりもなおさず自分たちの社会だどうあるべきかが問われることなんだろう。

Posted byブクログ