ギリシア悲劇全集(9) の商品レビュー
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ようやく断片と別巻を除く最後までたどり着いたギリシア悲劇全集。最後の最後には悲劇の上映には欠かせなかったらしい、面白おかしい口直しのサティロス劇「キュクロープス」が収録されていて、楽しく読み終えられた。 この巻に収録されているのはエウリーピデースの晩年の作品ばかりだけど、あんなに神の自分勝手さや悪女を書くのが好きだったのに大分大人しく、教訓的な作品が増えた印象。クリュタイムネーストラーなんて、まるで聖女かと思うような変わりようでびっくりした。エウリーピデースも晩年に心境の変化があったのだろうか。年を取ると敬虔な気持ちも芽生えてくるものなのかもしれない。
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