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謎とき 村上春樹 の商品レビュー

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21件のお客様レビュー

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2019/06/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

芯をえぐる論点は主にふたつ。 1、物語の神話化……一番書きたいことを隠して書く……信頼できない語り手……かつての自分の作品を作品内に埋め込む自己神話化を創作のエンジンにしている。神話の誕生、神話殺し、神話の再生という3部作。 2、ホモソーシャル社会……女をハンティングしたり遣り取りしたりして男同士の絆を確かめ合う。鼠殺し。 テクストからしか根拠を拾わないが、作品を縦断することで、作者の私的経験がほの見える。

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2015/08/08

批評とは敬意を伴った行為、と小林秀雄が言っていたような気がする。 村上春樹の作品の中から、あら探しをすることも意味のない行為ではないが、なぜ自分がこうも惹かれるのか、ということに、一つの枠組みを与えてくれたことは大きかった。 村上春樹は分からない、という。私も言語化しにくい。...

批評とは敬意を伴った行為、と小林秀雄が言っていたような気がする。 村上春樹の作品の中から、あら探しをすることも意味のない行為ではないが、なぜ自分がこうも惹かれるのか、ということに、一つの枠組みを与えてくれたことは大きかった。 村上春樹は分からない、という。私も言語化しにくい。そこが物語であり、文学の醍醐味でもあると思う。何かのメッセージととらえた瞬間に、何かがこぼれていくからだ。 しかし、ホモソーシャルな価値観ですくいとれる部分が多い村上春樹の作品の中で、直子が自分の責任として自殺する、という解釈に生きることの本源を感じたのは私だけではないだろう。哀しみの中に、死の中に、生がある。

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2013/03/08

おもしろかったですね。 いろんな話が いろんなカタチで入り組んでいる ことが よくわかって  見事な 分析力と 平易な表現力に満ち溢れている。 言語論的転回 時間 空間 そして 言葉 に関して 実にたくみに 説明してある。 この ムラカミハルキの 臨床解剖 は 成功しているよう...

おもしろかったですね。 いろんな話が いろんなカタチで入り組んでいる ことが よくわかって  見事な 分析力と 平易な表現力に満ち溢れている。 言語論的転回 時間 空間 そして 言葉 に関して 実にたくみに 説明してある。 この ムラカミハルキの 臨床解剖 は 成功しているような気がする。 ムラカミハルキの テキストは 嘘をつきながら その嘘が暴かれることで その暗闇が 明るみ になっていく。 ムラカミハルキ 自身が 謎をかけ  謎ときしている状態なので こんがらがっている糸が ほどけてきているような感じがした。 内田樹センセイとは 違った味があった。 羊をめぐる冒険は・・・ 星の紋章のついた羊を探すことだったが 結局 探し出すことができなかった。 星の紋章のついた羊は 羊博士 に取り付き・・・ 右翼の センセイ に取り付き そして 鼠に 取り付いた。 鼠は 星の紋章のついた羊 を取り込んだまま 自殺する ことによって  一緒に 羊と心中したことになっているが。 鼠の 遺体はなく そして 星の紋章のついた羊が なぜ そこから抜け出すことができなかったのか? よくわからない・・・が  結果として 羊を 見つけることができなかったのである。

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2012/11/23

文学理論を駆使して、村上春樹を分析する手法がたいへん参考になった。また、石原氏の村上春樹に対する愛着ぶりが感じられた。

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2011/02/18

2011/2/16読了。 いかに自分が何も考えずに読書してるかを痛感した。各作品を再読したくなった。

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2010/12/28

テンポ良く感じるのは講義を文章に起こしたものがもとになっているかららしい。 男性間で女性をやり取りする「ホモソーシャル」、ノルウェイのワタナベは大人になりきれていなくて直子はワタナベと寝たときに大人になったのだ、というところがおもしろかった。 他にも興味深い話がいろいろあったし無...

テンポ良く感じるのは講義を文章に起こしたものがもとになっているかららしい。 男性間で女性をやり取りする「ホモソーシャル」、ノルウェイのワタナベは大人になりきれていなくて直子はワタナベと寝たときに大人になったのだ、というところがおもしろかった。 他にも興味深い話がいろいろあったし無駄な引用も少なかったのでなかなか中身の詰まった本だと思う。

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2010/10/25

まさに謎ときでした。 はっきり言って小説読むのに、ここまでいろいろ考えていたら疲れそう。 文芸批評家でなければ、楽しく読んで自分なりに解釈して納得すればいいと思う。

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2010/06/28

村上春樹の著作を通し、読者に新しい読み方を提示し、またその世界をひろげてくれる本。 小説を読みそこから意味のある事を取り出すのに、こんなにも様々な知識が必要で、また細部にまで意味がある事に驚かされる。 論理構成についてはたまに強引さや疑問を感じることもあるが、だからといってこの本...

村上春樹の著作を通し、読者に新しい読み方を提示し、またその世界をひろげてくれる本。 小説を読みそこから意味のある事を取り出すのに、こんなにも様々な知識が必要で、また細部にまで意味がある事に驚かされる。 論理構成についてはたまに強引さや疑問を感じることもあるが、だからといってこの本の魅力が下がる訳ではないだろう。肝心なのは、読者の小説への視点を豊かにしてくれることだ。

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2010/06/22

村上春樹の著書を何冊か取り上げ、鋭い考察を展開している。 僕自身も村上春樹の作品はほとんど読んでいるけれど、こんな読み方があったのか、と感心させられることが多かった。 著者の信条は、「テクストから読み解く」というもの。 つまり、著者のバックグラウンドはとりあえず抜きにしてってこと...

村上春樹の著書を何冊か取り上げ、鋭い考察を展開している。 僕自身も村上春樹の作品はほとんど読んでいるけれど、こんな読み方があったのか、と感心させられることが多かった。 著者の信条は、「テクストから読み解く」というもの。 つまり、著者のバックグラウンドはとりあえず抜きにしてってこと。 所謂テクスト論的に話を展開していく。 そして、その考察、というか洞察がとても鋭く、真実味もある。 村上が石原の考察通りの書き方をしている思うと、ぞっとする。 常人には考えられないほど、考えつくされている、ということになる。 読者の何割が、村上の本質を汲み取っているのだろうか?

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2011/09/20

今まで村上春樹の小説がどうもしっくり来ず、何がこうも多くの人に支持されているのか分かりませんでした。石原先生の読み解き方を読んで、パズルが少しはまった感じがします。作品のストーリーを単純に読むのではなく、言葉のひとつひとつから裏に隠された小説世界の詳細を読み取るというのは勉強にな...

今まで村上春樹の小説がどうもしっくり来ず、何がこうも多くの人に支持されているのか分かりませんでした。石原先生の読み解き方を読んで、パズルが少しはまった感じがします。作品のストーリーを単純に読むのではなく、言葉のひとつひとつから裏に隠された小説世界の詳細を読み取るというのは勉強になりました。村上春樹は、徹底的に意図して言葉を配置しているのですね。「小説家はうそをつく」、勉強になりました。同時に村上春樹著「若い読者のための短編小説案内」を読むと、村上春樹ってモシカしたらとんでもない次元で小説を書いているのではという説にも納得がいきます。

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