衰退を克服したアメリカ中小都市のまちづくり の商品レビュー
この手の本は、どうしてもいいとこどりの報告になっている。 しかし、コロラド州のボルダーのグリーンベルトは単なるなる土地利用規制ではなく、消費税を上乗せしボルダー市がその田園地帯を買収している。このようなより踏み込んだ財政措置を自ら取り組まないとグリーンベルトは維持できないこと...
この手の本は、どうしてもいいとこどりの報告になっている。 しかし、コロラド州のボルダーのグリーンベルトは単なるなる土地利用規制ではなく、消費税を上乗せしボルダー市がその田園地帯を買収している。このようなより踏み込んだ財政措置を自ら取り組まないとグリーンベルトは維持できないことがわかる。 しかし、著者の市場メカニズムを信用しないとして、その例として、ボルダーの赤字経営の電気バスなどを例にあげている。(p189)また、高さ規制、歴史的街並みの保全、中心市街地のマーケットプレイスなどを市場コントロールの例にいれているが、ちょっと切り口が甘いのではないか。(p189) 全体を通じて、アメリカは移民の導入もあり、日本のように構造的に低成長、右肩下がりになっているわけではない。その中で、市場を通じた圧力、政治的な圧力とどうおりあいをつけて、都市計画をまもっていくか、それにどう地域の共同体などの合意形成をバックにつけるか、逆に、市街地の活性化のために小さくてもいいので採算のとれる企業、産業をもってくるか、移入してくるか、というのは、市場メカニズムと対峙してもできない。 市場メカニズムは、ものすごく国際的に動いていてその力は一都市で議論しても勝ち目がない。その力を利用しつつ、そのまちの強みを生かしていく、その場合も、赤字たれながしのような政策は長くは続かないことなど、きちっと市場の圧力との折り合いをつけていくという発想が大事。 すくなくとも、国の都市計画をやっている人間は市場圧力の暴風雨に常に曝されている。 大学の先生も、それについて、それを排除するような安易な発想ではなく、どううまく取り込み、例えば国際市場に勝てる地元市場を育てるかといった、ねばりづよい発想、アイディア、議論を期待したい。
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米国の中小都市に学ぶ デービス、チャールストン、バーリントン、ボルだ-、チャタヌーガ 日本の中小都市への提言
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