編集者 国木田独歩の時代 の商品レビュー
婦人画報等、グラフ誌編集者としての国木田独歩。 「破産」の梅子のモデルとなった日野水ユキエ(同志社女子学校→明治女学院→女子写真伝習所→近事画報社、独歩社→結婚して北京へ)。 奇人、数学の天才、明星にもしばしば寄稿し(雅号は鉄幹がつけた様子)最後の最後まで独歩社に寄稿しつづけた坂...
婦人画報等、グラフ誌編集者としての国木田独歩。 「破産」の梅子のモデルとなった日野水ユキエ(同志社女子学校→明治女学院→女子写真伝習所→近事画報社、独歩社→結婚して北京へ)。 奇人、数学の天才、明星にもしばしば寄稿し(雅号は鉄幹がつけた様子)最後の最後まで独歩社に寄稿しつづけた坂本紅蓮洞。 小説家・翻訳家であり、谷崎潤一郎が認めた美少年、武林無相庵。 藤村操の投身自殺の六年前、華厳の滝に花袋と訪れていた事。 等。
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国木田独歩が終生の仕事と考えていたのは、出版事業であったのだ。しかしながら、彼の編集者としての仕事は世の人々からは評価されずに忘れられてしまい、生活費を稼ぐために編集者として多忙のなか創作した小説はなかなか売れずに貧乏生活が続き、死の少し前に人気作家に押し上げられるとは皮肉なこと...
国木田独歩が終生の仕事と考えていたのは、出版事業であったのだ。しかしながら、彼の編集者としての仕事は世の人々からは評価されずに忘れられてしまい、生活費を稼ぐために編集者として多忙のなか創作した小説はなかなか売れずに貧乏生活が続き、死の少し前に人気作家に押し上げられるとは皮肉なことであった。
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一般に国木田独歩は「武蔵野」などの自然主義文学を代表する文豪だと、けっこう乱暴な紹介をされている。 けれど、この本に書かれている独歩は小説家というよりも編集者として、またとても好感のもてる人物として描かれている。 国語の便覧などでは書かれることのない、素の独歩に近づく一冊。
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