てのひらの迷路 の商品レビュー
久しぶりに読み返した一冊。 以前に読んだ時よりもより内容の理解度が深まった気がした。 そして掌篇小説の魅力を再発見。石田さんが書かれているように、晩年にこんな素敵な掌篇集が沢山読めると良いなと思った。
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てのひらの迷路 石田衣良さん 1.石田衣良さんとのあゆみ 眠れぬ真珠、リバース、40、約束、美丘、オネスティと歩んできました。 てのひらの迷路を読むにあたり、石田衣良さんの読了記録を振り返ってみて感じることは、描写の奥行きというものでしょうか? 風景、人物、そして感情、いずれの...
てのひらの迷路 石田衣良さん 1.石田衣良さんとのあゆみ 眠れぬ真珠、リバース、40、約束、美丘、オネスティと歩んできました。 てのひらの迷路を読むにあたり、石田衣良さんの読了記録を振り返ってみて感じることは、描写の奥行きというものでしょうか? 風景、人物、そして感情、いずれの描写にも色彩が見えてくるような印象です。 2.著書「てのひらの迷路」 石田衣良さんを好きな方に手にとってほしいです。 石田衣良さんの原体験が綴られています。 恋、小説家になる前、通学路の思い出、金曜日の渋谷散歩などなど。 いずれにしても、読み手にとって関心深いのは、一般人ならばやり過ごす風景に対して、観察と描写を行いつづけていること。 読み手と書き手の違いとはこうしたものか?と合点がいきました。 3.読み終えて 石田衣良さんの物語。 2021年、割合が増えそうな予感がします。 読書中ですが、読了前に感想を書いてしまう衝動に駆られてしまいました。 「時間の流れをどんどん細かくしていく。 ガラスのなかに捕われた砂よりも、 もっと、細かく。 100分の1秒のデジタルよりも、もっと薄く。 何年もかけて、それを極限まで続けると、 時間は最後にはきらきらと透明にこぼれる 粒子になる。」 時間という無形を有形な表現にする石田さんの観察と描写をただ美しいと思えたのでした。 #石田衣良さん #小説の世界は時間を包んでくれる。
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石田衣良さんの短編?です。 何度も言うようですが石田さんの感性と視点がやっぱり好きです。 実話が多いという半エッセイのような短編集で、15年ほど前に書かれたもの。 私はエッセイは書き手がどんな人かよく分かるので好きなのですが、風化を持ち合わせているため昔すぎると少し苦手と思うもの...
石田衣良さんの短編?です。 何度も言うようですが石田さんの感性と視点がやっぱり好きです。 実話が多いという半エッセイのような短編集で、15年ほど前に書かれたもの。 私はエッセイは書き手がどんな人かよく分かるので好きなのですが、風化を持ち合わせているため昔すぎると少し苦手と思うものもあるのですが、石田さんのエッセイは風化を感じないし、むしろそれも味と感じます。まあ、所詮15年なんて昔ではないのかもしれません。 石田さんの感性が好きだし共感するところがやっぱり多いです。共通点を見つけると嬉しくなります。今回は、横浜が大好きだということ、タクシーが同じ方向を向いて走るというよさがあること、全体が共感の多い本ですが特に印象的なのはこれらです。 特にタクシーの話は物語もお気に入りです。 「バブルの頃の給料はどう考えたって今より多くはないですよ。ーでも、みんなお金なくてもある振りをして、がんばってつかっていたんだね。」バブルを生きた人間ではありませんが、これでこの時の人々がどれほど楽しんで生きていたかわかります。遊びも本気とはこういう人たちのことでしょう。そりゃあバブルを生きた人からしてみれば今時の人の現実主義さに嫌味を言いたくなりますよね。
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この本読んで、浜崎あゆみの本が気持ち悪かった理由わかった。 石田衣良の実際にあったことをフィクションにしてショートにまとめて書いてある本なんだけど、その中に失恋話もあり、たった3ページのこの石田衣良の話のなんと面白いことかと。 そうか、ここが違うんだ。 20年前の恋心って2...
この本読んで、浜崎あゆみの本が気持ち悪かった理由わかった。 石田衣良の実際にあったことをフィクションにしてショートにまとめて書いてある本なんだけど、その中に失恋話もあり、たった3ページのこの石田衣良の話のなんと面白いことかと。 そうか、ここが違うんだ。 20年前の恋心って20年経つうちに発酵して、カビて、それでも輝いてるのかもしれないけど、本人自体も20年経ってしまっている今の状態で振り返る大恋愛って、やっぱり視点が今なんだけど、浜崎あゆみのあの本、視点が17歳のままで、書いてるのが40すぎのおばんなんだ。そのなんとも言えない気味悪さは、 20年前に作ったケーキを、おいしいんだよーどーぞ召し上がれ。 とか言われてる感覚に近いのかも。 イチゴとか原型ないくらいドロドロになってかびて何かわからないような状態なのに、本人はウキウキで これ超美味しくできたんだよー! とかいう感じの怖さ。これ。これ!!!!これだ!!! その点、さすがの石田衣良はたった3ページで大恋愛、失恋、切なさそんな想いがダーーーーっとこちらに流れてくるように描く。 最初の実母の病院の話ですら、そんな感じだった。 母が死にそうっていうのを、全く違う視点から描き出すことでめちゃくちゃ悲しい気持ちが溢れすぎる。 たった3ページでここまでに。っていう。 読みやすいし、石田衣良本人の雰囲気がとっても手に取るようにわかる一冊でした。 ラストのお母さんへのメッセージで、石田衣良って、石平さんだったんだ!っていう発見が1番鳥肌たったわ。笑笑
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石田衣良のショート集。 毎月原稿用紙10枚程度の物語を連載していたそう。 ファンタジーもあれば、ホラーもあり、フィクションを元にした物語もあり。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
短編集です。 実はこの作者さんは、テレビ番組に出てるのをみることの方が多くて、作品をそんなに読んだことないんですが、この短編集は好き。素直にそう思える作品でした。 「小説」は「小説」なんですけど、作者さんの実体験を下にしたものであるとか、どちらかというと「私小説」に近い形。 作者さんの人柄が滲み出してくるような小説でした。 おまけに、一つ一つの小説の前に、作者さんが何を思ってその小説を書いたのか、解説がついている。 普段、後書き等で作者さんの想いを見ることが多いのですが、多くの小説は、作者さんが小説を書き終わってから随分経ってから書かれていることが多いようで、皆さん「あとがき」を苦手としている人が多いような気がするんですよね。おまけに、時間が経っているので、何を思って作者さんがこの小説を書いたのか、とかいうそういうフレッシュさは失われていて、それはそれで楽しいんですが、この短編集の解説は、その小説の短編を書き始める前か、書き終わった直後に書かれているように感じられるもので、その作者さんの言葉まで含めて一つの作品なんだなあ……という感じ。 かきむしられるような切なさも、ミステリーにつきものな、ハラハラドキドキ感もないですが、ほっと一息つきたくなるような、肩の力を抜きたくなるような時に読むのにはオススメの小説です。
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面白かった♪ いわゆる『ショートショート』と呼ばれる、 ページにしたら10ページくらいの超短編が24話。 どれもこれもコンパクトに仕上げてるだけあって、 ピンポイントで分かりやすく、とても読み易い。 僕が一番好きだったのは『旅する本』。 悩める人や困った人が『今、出逢うべき本...
面白かった♪ いわゆる『ショートショート』と呼ばれる、 ページにしたら10ページくらいの超短編が24話。 どれもこれもコンパクトに仕上げてるだけあって、 ピンポイントで分かりやすく、とても読み易い。 僕が一番好きだったのは『旅する本』。 悩める人や困った人が『今、出逢うべき本』へと姿形を変え、 時代から時代、人から人へと旅をする本。 もしかしたら、世界中の何億冊という本の中の1冊くらいはそうかも知れないな? 僕にとっては、あの頃に読んだあの本がそうなんじゃないかな? すごく感動して人生に迷ってたのを救って貰ったのに、なぜか手元にはもう無い。 また誰かを救いに行ったのかな? 米粒ほどの大きさだけど、 とてつもない光を放つ宝石の様な素敵なファンタジーだと思った。
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気軽に読めて、心に響く作品がいくつも入ってる。ジェラシーみたいに怖い話もあれば、ナンバーズのように感動的な話もある。魅力的な掌編集。
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超ショートショートな短編集。でも短い文章の中にも石田衣良ワールドがあり、それぞれのお話にじんわりくるものがありました。物語を作っていくステップを描かれた短編や、石田衣良さんが小説家になった経緯が描かれた短編もあり、ややエッセイ的な要素もあり、スラスラと読めました。
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24の掌篇小説です。 私が好きなのは「完璧な砂時計」「銀紙の星」「最後と最後のひとつ前の嘘」です! 短い物語はどれも読みやすく、短い中にも良い言葉が沢山落ちていました!
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