粟津潔 荒野のグラフィズム の商品レビュー
中の紙が普通の一般的な紙と、薄くて捲る時に大きい音がする紙と、テカテカの光沢紙があって楽しい。 中は今までの作品がたくさんあるけど、文章のページもレイアウトが凝ったデザインがされている。 この本全体でまた一つの作品を作り上げたと言う感じ。 文字が全部反対のページもあるからこのペー...
中の紙が普通の一般的な紙と、薄くて捲る時に大きい音がする紙と、テカテカの光沢紙があって楽しい。 中は今までの作品がたくさんあるけど、文章のページもレイアウトが凝ったデザインがされている。 この本全体でまた一つの作品を作り上げたと言う感じ。 文字が全部反対のページもあるからこのページを読むときは上下逆さまに持って、周りから不思議がられそう。笑 ページ数が全て紙から見切れているけどこれは失敗ではなくわざとなんだろう。 おしゃれ。 カラフルな作品が多い印象、でも幅広い。
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4月28日に身罷ったことを存じませんでした。 物心ついた時から身近にいらしたので、空気みたいな存在で、ある(いる)のが当たり前のような感覚だったので、こうして亡くなられたと知っても、欠如感はなく、どちらかというと、かえって親近感の深さ・度合いが増す、みたいな感じがするような、不...
4月28日に身罷ったことを存じませんでした。 物心ついた時から身近にいらしたので、空気みたいな存在で、ある(いる)のが当たり前のような感覚だったので、こうして亡くなられたと知っても、欠如感はなく、どちらかというと、かえって親近感の深さ・度合いが増す、みたいな感じがするような、不謹慎ですが奇妙な感覚に浸っています。享年80歳。 もう本当に、数々のすばらしい粟津潔ワンダー・アドベンチャー・ランドを全面展開して見せて下さって、ありがとうございました。 考えてみると、それより前の1月11日には、日本のエッシャーと言われた福田繁雄が76歳で逝ってしまわれ、さらに、それより以前の昨年の12月27日には木村恒久が80歳で逝去と、続いていますね。 ええっと、あの田中一光が亡くなったのが、7年前の2002年1月10日でしたから、存命でしたら79歳なので、やはり同時代人ですね。 この他の著名なグラフィックデザイナーといえば、残念ながら横尾忠則(1936~)は、今や画家という括り方をしないと叱られますので、除外せざるをえませんが、杉浦康平(1932~)・マッド・アマノ(1938~)・長友啓典(1939~)・宇野亜喜良(1934~)など、ほとんどが同世代で、辛うじて戸田ツトム(1951~)あたりが第2世代とでもいうのでしょうか。 いずれにしても、私たちが生きている日常生活のありとあらゆる場面・分野で、単なる物としての存在に、生き生きとした命を吹き掛けて、潤いや癒しや活性感を与えられるのは彼ら以外になく、今後も重要な任務を持っていることは間違いありませんので、もっともっと若手の方々にも頭角を現して活躍してもらわないと、ですね。
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現代の感覚からすると粟津潔の作品はグラフィックと版画のあいだのような不思議な印象を受ける。つまり近代以降のグラフィックが極めてシンプルな少ない要素の構築によって成立しているとすれば、粟津作品の魅力はむしろその外部から持ち込んだいろいろな要素によって成立していて、それは現代の写真に...
現代の感覚からすると粟津潔の作品はグラフィックと版画のあいだのような不思議な印象を受ける。つまり近代以降のグラフィックが極めてシンプルな少ない要素の構築によって成立しているとすれば、粟津作品の魅力はむしろその外部から持ち込んだいろいろな要素によって成立していて、それは現代の写真に近いかもしれない。臭い立つインクの質感があって、それが平面に印刷される段階で丁度いいくらいの、きっと原版はぎょっとするくらいのえぐさがあるんだろうな。資料としてはあまり使えないかもしれないけど、ぱらぱら捲ると、ようし、やるぞ、という気になる。それから、もうひと言。粟津潔についてはもう一冊出まわっている作品集があるが、そちらは一色刷りで、ひとつの書物としては美しいが、こちらの方が忠実な掲載で作品集としては真面目に作られていると思う。
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