通訳 の商品レビュー
通訳サービスの責任者が 言動に異常を来たした職員をクビにし、 恨みを買ったことから奇怪な状況に落ち込み、 平和な生活が崩壊する――という、 被ストーキング不条理小説だと思って読み進めたら、 途中から猛烈にペースアップし、 サスペンスフルな展開になってビックリ! ジュネーヴにある...
通訳サービスの責任者が 言動に異常を来たした職員をクビにし、 恨みを買ったことから奇怪な状況に落ち込み、 平和な生活が崩壊する――という、 被ストーキング不条理小説だと思って読み進めたら、 途中から猛烈にペースアップし、 サスペンスフルな展開になってビックリ! ジュネーヴにある国際機関の 役職付きであるフェリックス・ベラミーに、ある日、 職員の一人を解雇すべきとの書類が回ってくる。 理由は、その通訳が、無意味な、 どの言語でもない言葉を発して業務を滞らせたため。 クビにしなくてもいいんじゃないの…… と思ったフェリックスだったが、 妻に家出されたショックで精神的に疲弊し、 つい、解雇通知にサインしてしまう。 納得できないという通訳は、 フェリックスに付きまとった挙げ句、 もう迷惑はかけないから形見を受け取れと言って、 どこの国の言葉にも似ていない謎の音声を発した。 以来、体調を崩し、しかも、 通訳の奇声そっくりな叫びを 漏らすようになってしまったフェリックスは、 言語催眠療法なる語学講座を勧められる。 この病は伝染性の狂気で、 あの通訳からうつされたのだと思ったフェリックスは、 バーヌンク博士の治療を受け始めたが……。 てっきりクリニックの中で ひっそり完結すると思いきや、 ヨーロッパを股にかけた血腥いドタバタ劇に。 自分が何者かと関わった結果、 元の自分とは違う人間に変質する、 もしくは、円滑な社会生活を送るために纏っていた鎧を 脱ぎ捨てて 本来あるべき姿を取り戻す――と捉えることも可能な、 読んでいて皮膚が泡立つような メタモルフォ―ズの物語は、ラヴクラフトの世界観 (の一部、例えば「インスマウスの影」など) とも一脈通じる気がした。 若干、御都合主義的だが、 その点に目を瞑っても構わないと思える 良質のエンタメ作品。
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通訳者から広がる感染病についてのお話。 治療にはドイツ語を基調としながら,ルーマニア語の集中講座を受講する。 現在の言語には,蛇がエデンでアダムに話しかけたとされる言語,原初言語の破片が散らばっていると言う。 その言語を求めて主人公の冒険が始まる。
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イタリアン幻想的SF小説 というのかなぁ。ジュネーブにある国際組織の管理職ベラミーは業務中に奇声を発するという通訳を解雇する…ここから不思議な物語は始まる。通訳は原初言語を発見しつつある、というのだが、その通訳の発する奇妙な発作はベラミーにも伝染し、ベラミーは謎を解くために通訳を...
イタリアン幻想的SF小説 というのかなぁ。ジュネーブにある国際組織の管理職ベラミーは業務中に奇声を発するという通訳を解雇する…ここから不思議な物語は始まる。通訳は原初言語を発見しつつある、というのだが、その通訳の発する奇妙な発作はベラミーにも伝染し、ベラミーは謎を解くために通訳を探してヨーロッパを転々とする。これはさまざまな言語が身近に存在するヨーロッパならではの小説だな。バベル神話によって統一言語を失った民の、統一言語への希求というのだろうか。通訳が手に入れた「原初言語」を巡る陰謀や、ベラミーが“治療”を受けた精神病院の恐怖の描写にはぐいぐいと引き込まれる。ラストに明かされる原初言語の謎には驚かされたぞ。
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不思議な話。謎の男に、ある日言葉を取られてしまい、突然意味不明の言葉を発するようになる。謎の男を追いかけて外国へいくと、ある日凶悪強盗を重ねている自分に、世の中で一番害の無い人物だった元通訳は気付く。出てくる人、エピソードが不思議。
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外国語をしゃべっていると頭の中も違う考え方になるような気がする。それを通訳という変換者がその中にのめりこんだらどうなるのか?っていうことを描いている。怖い!
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ジュネーヴの国際機関で通訳サービスの責任者を務めるフェリックス・ベラミーは部下から報告を受けた。16カ国語を操るひとりの通訳が、同時通訳中に異常をきたすという。問題の通訳は、「全生物が話す普遍言語を発見しかけているのだ」と主張するが解雇され、ベラミーに執拗につきまとったのち失踪を...
ジュネーヴの国際機関で通訳サービスの責任者を務めるフェリックス・ベラミーは部下から報告を受けた。16カ国語を操るひとりの通訳が、同時通訳中に異常をきたすという。問題の通訳は、「全生物が話す普遍言語を発見しかけているのだ」と主張するが解雇され、ベラミーに執拗につきまとったのち失踪を遂げた。 彼の狂気は伝染性のものだった。うつされたベラミーは、奇怪な言語療法を受け、通訳が残した謎のリストを携え欧州中を放浪することに―。あらゆるものに隠れて鼓動する創造の恐るべき力。知的遊戯に満ちた、現代イタリア発幻視的物語。
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