ランボー・クラブ の商品レビュー
遺伝子治療にフランス詩人と難しそうなテーマに腰が引けてしまいそうだが、展開もスピーディーでテンポよく読める。一昔前のユーモアミステリーのような凸凹私立探偵が暗くなりがちなテーマをうまく料理していた。どんでん返しも用意されていたが、そこは予想の範疇だったのが残念。ただ提示された謎の...
遺伝子治療にフランス詩人と難しそうなテーマに腰が引けてしまいそうだが、展開もスピーディーでテンポよく読める。一昔前のユーモアミステリーのような凸凹私立探偵が暗くなりがちなテーマをうまく料理していた。どんでん返しも用意されていたが、そこは予想の範疇だったのが残念。ただ提示された謎の全てが最後で綺麗に解決を見せる丁寧さは好感が持てる。ミステリーとはあまり関係ないが癌の辛さの叙述が印象的でどうしても忘れられない。
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自分自身の過去を探るミステリに、さらなる事件が絡んできて読み応えたっぷり。見立てもあるし、要素は充分ですねえ。 この犯人のしようとしていたことにはぞっとしました。でも人のため、という風に説得されれば、あの人のように手を貸してしまう人もいるんだろうな。善意なのか悪意なのかなんて、見...
自分自身の過去を探るミステリに、さらなる事件が絡んできて読み応えたっぷり。見立てもあるし、要素は充分ですねえ。 この犯人のしようとしていたことにはぞっとしました。でも人のため、という風に説得されれば、あの人のように手を貸してしまう人もいるんだろうな。善意なのか悪意なのかなんて、見分けがつくはずないし。それが一番悲しくて怖かったなあ。
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ランボーの詩篇を象徴的に使ったりと、散りばめられた小道具に謎めいた雰囲気だけは魅力的だったものの、肝心の語りの部分が今一つだった。当事者である菊巳パートと探偵役を務める探偵の麻理美パートの視点とが入り乱れ、もうちょっと上手く行かなかったのかなあと思う。 「自分が何者なのか」菊巳...
ランボーの詩篇を象徴的に使ったりと、散りばめられた小道具に謎めいた雰囲気だけは魅力的だったものの、肝心の語りの部分が今一つだった。当事者である菊巳パートと探偵役を務める探偵の麻理美パートの視点とが入り乱れ、もうちょっと上手く行かなかったのかなあと思う。 「自分が何者なのか」菊巳が自分のルーツを探るサスペンスフルな青春小説として、途中まではいい感じだったんだけどなあ。このラストは、あんまりだ。 個人的には「××××、アンタがちゃんと説明さえしていれば、人死になんて出なくて済んだのに!」と、小一時間ぐらい説教したい気分。それにしても、気が長すぎるほど長すぎる話だー(苦笑)。
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確かに「腑に落ちる」結末ではあるんです。きっちりと丁寧に作り込んでいるという事も、よくわかります。しかし、です。フィクションがご都合主義の積み重ねである事はわかっているつもりでも、どうにも不自然さが鼻につきます。読後の爽快感がありません。残念です。
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