教育問題の答 の商品レビュー
“永遠の受験生”の指導に失敗した名物教師【赤松正雄の読書録ブログ】 永遠の受験生―私がある友人から貰った渾名である。その人の名は、阿部憲仁(46)さん。現在は、桐蔭横浜大学准教授をしているが、かつては大手予備校の名物英語教師として鳴らした。故マイケル・ジャクソンの通訳をしたこ...
“永遠の受験生”の指導に失敗した名物教師【赤松正雄の読書録ブログ】 永遠の受験生―私がある友人から貰った渾名である。その人の名は、阿部憲仁(46)さん。現在は、桐蔭横浜大学准教授をしているが、かつては大手予備校の名物英語教師として鳴らした。故マイケル・ジャクソンの通訳をしたこともあり、移民英語教育(ESL)の第一人者である。風貌は、並みの教師とはおよそ違うガッツにみちたナイスガイ。彼の『教育問題の答 アメリカの実践と日本の現実』をこのほど読んだ。2年半ほど前に出版され、ご本人から頂いていたものをようやく読み終えた。何だ今頃と、怒られそうだが、事実だから仕方ない。 冒頭に頂いた言葉の意味は、第一義的には私が彼に英語会話の個人教師を5年ほど前に約半年間、週一回ずつ程してもらったことがあり、その際のイメージだと思われる。つまり、何時までたっても英語が旨くならないのに、そのくせ旨くなりたいと思い続け、それなりに努力をしている姿勢にあるのだろう。現実に、結局、私たちの“師弟関係”は破綻。本心は明かさないが呆れているに違いない。不肖の弟子としては、せめて師の日本語の本については読み込んで、驚かせたいとの思いがないといえば嘘になろう。 彼との最初の出会いで印象に残ったのは、強烈な動物愛護の心の持ち主だということ。この本にも「外来種の排斥とナショナリズムの台頭」というくだりで、アライグマを始めあれこれの外来種への優しい心遣いが明確にうかがえる。このところ小学校から大学まで教育現場での実態や今後の見通しが気になるが、アメリカでの豊富な経験を元にした、活力溢れる快男児の処方箋は大いに役立つに違いない。教育に関心を持つ多くの人に勧めたい。
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