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チーム・バチスタの栄光(下) の商品レビュー

3.9

523件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/12/22
  • ネタバレ

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「女性にもてないタイプには、アクティブ・フェーズは理解にしにくいと思います」そうかもしれません。 それはさておき、最後に、Aiという、登場人物がほとんど知らないある意味飛び道具が決め手となって、事件解決に向かうというところが、若干反則っぽい感じがしたのですが、そう書かれているから飛び道具っぽく感じるのであって、世の中には効果があるのに活用できていないものが色々あるのではないかと思いました。 何となく思い浮かんだのがこんな対応図。 病院長→部長とか偉いさん MRI→UnitTest Ai→CI(Continuous Integration) 病院長はMRIという存在は知っているけど、どれくらいの時間で画像が出るかとか詳細は分かっていない、さらにそれを活用したAiという手法はほとんどの人が知らないため、悲劇が止めることができず、逆にそれを使って事件を解決する。 対応図の右側で行くとこんな感じですね。 --- 國村部長が苛立ったように言う。 「さっきからプログラム書いている割には、画面も出てこないし、全然進んでいないじゃないか」 「最初に、テスト仕様を、テストコードとしてプログラムで書いておくのです」 技術部の並樹がなだめる。國村部長は黙り込む。部長世代にとってはUnitTestは異形のプログラムだ。とんちんかんなことを言っても、平然としている。 突然赤いバーが表示される。一瞬息を呑んだ。 「最初は、テストを失敗させて、赤いバーを表示させるのです」 みんなのおびえた気配を察知して、阿部が説明する。並木は、続いて実装コードを書き、緑色のバーを表示させた。俺は小さくため息をついた。 「けど」 始めに声を出したのは玉山だった。 「自分が実装するコードについては、確かにテストコードを一緒に書くことでそのパターンの品質を保証できています。でも、自分が何かするたびに全員分のテストの実行なんてできません」 確かに、みんながバラバラのタイミングでチェックインするのに、いちいちそのタイミングでテストを実行するなんてことは不可能だ。吉川マネージャが答える。 「ですから品質保証部の人にも製造工程にまで入ってもらって定期的に全員分のテストを実行していたのです。Visual StudioやVSSの使い方も勉強してもらいました。今では単独で、最新版の取得からビルド、テストまでやっていただいています。しかし、予算の都合も あり、2、3日に1回やっていただくのが精一杯です」 「みんな体を動かすのが好きだなあ」 阿部が素っ頓狂な声を上げる。 「なんでそんな操作を人間様がやらないといけないの?ちなみに品質保証部の人はVisual Studioのライセンス持ってるんだろうね」 「その辺は問題ないんだろうね」 國村統括部長の目は血走っており、吉川は無言で下を向いた。 阿部はどこからかパソコンを持ってきた。 「品質保証部の人なんか関係なく、毎日2回テストは実行されてますよ」 唐突に佐野が大声を上げた。 「なんだこりゃあ!一昨日から赤くなってるじゃないか」 全員の目がモニタに集中する。毎日2回のビルド・テストの記録が並んでおり、一昨日から上は、赤い文字で表示されていた。 左上には「Cruise Control」というロゴが見える。 「このパソコンの持ち主は、ずっと前から自分のマシンにCIツールを入れてたんですよ。自分の開発の妨げにならないように、昼休みと夕方休憩の2回の設定 にしてね。そして誰かがエラーを引き起こすようなチェックインをしたら、デスクトップのアイコンが赤くなる。しかしコイツはそれを指摘せず、一生懸命PG 別バグ件数を記録していた。そんなことしたがるヤツは一人だけ」 視線の照準を合わせたまま、阿部の指がトリガーを引く。 「それは・・・お前だ」 阿部の指先の延長線上には、白く青ざめた顔があった。

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2024/11/17

面白いストーリーだとドラマを先に見ているので先入観があったので評価が難しい。逆にドラマのほうが想像以上に正しく小説の世界観を作られていたと感心した。

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2024/10/17
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普通に面白かった。 ミステリとしては手術室で起こる殺人もしくは医療事故を巡って展開していき、犯人もしくは原因を明るみにしていく物語。 医療知識が全くない自分にとっては最後まで誰が犯人なんだろう?と悩むドキドキ感はあまり感じれなかったが、登場人物の破天荒な行動で謎を解き明かす姿は面白かった。 ただ少しだけ動機があんまり理解できず読み終わってもモヤモヤしてしまった。

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2024/09/29
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  藤原レオパレス紀香21さんのレビュー チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫] (宝島社文庫 (600)) 上巻と下巻で激変。なんといってもその原因は変人官僚白鳥の登場にある。主観である田口公平も院内においては変わり者ではあるが白鳥の変人っぷりは桁が違う。 解説でも触れられているが奥田英朗の作品の伊良部先生のような感じ。 その変人性ゆえの面白さとアクティブフェーズ・パッシブフェーズを駆使しての論理的な犯人あばきの手法の魅力がたまらない。 俺も田口公平と同じでなんとなくで納得させられてる部分はあるがロジカルモンスターこと白鳥の論理に身をゆだねたくなってしまう。 よく考えれば変人を視点に物語を進めてもなにもおもしろくないから必然的にこういう形式になるのか。 続編も読みたくなる作品。

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2024/09/01
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【要約】現場をかき乱す役人白鳥が加わり、次々と問題を起こしながらも登場人物の意外な一面が明らかになる。桐生兄弟の依存関係は、事件においては寄り道ではあったが、高階教授が最初に言ったように事件は「医療過誤、不運、殺人」により引き起こされていた。 【感想】海堂尊作の題名は、小説の原点を一言で表現しているのではないかと、ブラックぺアンから読んで思った。白鳥の天才的な思考回路やそれによる話の展開は腑に落ちない所もあったが、藤原さんが内通しているから、田口先生が選ばれたというのは1番納得がいった。

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2024/07/11
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「カレイドスコープの箱庭」を読了後に再読。 白鳥が裏で調査していたこととか、頭の中で考えていたこととか、白鳥視点でも読んでみたかったな。 ── ドラマの白鳥は肉ばっかり食べていたけど、小説ではうどんばっかり食べていた。 ドラマでは、白鳥が思いつきで突き進む、声が大きいだけの人に見えなくもなかった。 グッチーはもう全然違う。 どちらも面白かったけど、パラレルワールドのように少し違った。 納得感があったのは小説の方かな。

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2024/05/19

犯人は仲間の中に。 誰かを救うために医者になったであろうに、どこで何が間違って殺すことに快感を覚えてしまって実現させてしまたのか。 一度完璧に噛み合った歯車を知っているからこそ、少しのズレが気になってしまったのだろう。

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2024/04/20

相手の嘘を見抜くための調査がこの作品で1番面白かったです。 残念だったのは、犯行の動機がうーんって思いました。本当にそんな理由だったのか、、、

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2023/09/18
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「とんでもない。あの時私は、たかが外科の知識が少々足りないくらいで、こういう素直でアホな男を医者にするのを一年遅らせるのはもったいない、と思っただけです。考えてみて下さい。試験に合格した結果、先生に何かいいことがありましたか? 一年余計に大学病院の雑務に埋もれることになっただけです。なのに、私は君に長く感謝される、大学も助かった。田口先生はそこそこの医者になって世の中の幸せを少し増やしている。私の裁量ひとつで誰も損はしていないし、みんなハッピーじゃないですか」 2022/2/2読了(再読) 初読は'07年。翌年、映画化もされた。田口先生は女性に設定変更されて竹内結子、白鳥さんは阿部寛、と原作イメージから大幅に逸脱していたけど。 で、今回再読して、結局は全てを見通していたが如き、高階病院長の采配が光る話であったなぁ、というのが率直な感想であった。

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2023/06/27

上巻の情報を下巻で上塗りしていく感じがよかった そういう理由で上下分けてたのかもなぁ 手術のシーンは描写がリアルで怖かったけどそれも文才あってこそですね

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