20世紀ファッションの文化史 の商品レビュー
20世紀を代表する10人のファッションデザイナーの功績と共に、貴族階級のものでしかなかったファッションが、オートクチュールと呼ばれるハイファッションの端緒を開くことを皮切りに今現在までに続く文化が如何に作られてきたかというファッションの歴史が綴られています。非常に読み応えのあるも...
20世紀を代表する10人のファッションデザイナーの功績と共に、貴族階級のものでしかなかったファッションが、オートクチュールと呼ばれるハイファッションの端緒を開くことを皮切りに今現在までに続く文化が如何に作られてきたかというファッションの歴史が綴られています。非常に読み応えのあるものでした。20世紀前半はポール・ポワレ、ココ・シャネルらが中心となってファッション業界の基盤を作り、一旦戦争で混乱を期するも、ディオールとヴォーグなどのアメリカ雑誌によって隆盛を取り戻し、その後様々な経済情勢に相対する形でヴィヴィアン・ウエストウッドやコム・デ・ギャルソンといった反体制的なものを始めとした様々なファッションが生まれてくる経緯が記されています。個人的には音楽とリンクし始めた60年代ロンドン文化が興味深かったですね。今まではオートクチュールが主だった業界にミニスカートが生まれ、ロンドンを中心に反体制・反ブルジョワからロックなどの音楽とリンクしたファッションが流行、さらにそこからマルコム・マクラーレンらが中心となってパンクを生み出す過程がファッションを通して語られていて面白いです。今までは疎い業界だっただけに、これ以降今後のファッションに対する認識が一変しそうです。
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p1?アメリカのファッションデザイナー、クレア・マッカーデルはデザインを「問題を解決すること」にたとえている。ファッションを見ることはその背後にある「思想」を解読するスリリングな作業なのである。?p2?本書で私が重視したのは、ファッションを社会的なプロセスとしてとらえることである...
p1?アメリカのファッションデザイナー、クレア・マッカーデルはデザインを「問題を解決すること」にたとえている。ファッションを見ることはその背後にある「思想」を解読するスリリングな作業なのである。?p2?本書で私が重視したのは、ファッションを社会的なプロセスとしてとらえることである。そもそもファッションとは社会のなかで生まれるものであり、そこには作り手だけでなく、消費者、ジャーナリスト、生産流通などさまざまな人々がかかわっている。服づくり自体もデザイン以外にテキスタイル、パターン(型紙)、縫製など共同作業によってつくりだされる。ファッションは美術や文学などとは違ってひとりの作家だけが創造していく領域ではないのだ。 重要なことは、デザイナーがなにをつくったということに加えて、実際にどんな人々や階層がそれを需要したのか、その消費のプロセスなのである。それを確かめるだけで身体の開放や服装の革命などという議論がいかに空虚なものかがわかるだろう。? 2010/2/26読了 川久保玲がスタイリストをしていたことにはびっくり。
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