ふしぎの森のヤーヤー 思い出のたんじょう日 の商品レビュー

内田麟太郎【作】,高畠純【絵】

2020/06/06

・へんてこ世界観が面白い。ふしぎの森の動物たちのお話なんだが、主人公は体がブタで顔がウサギのモニモニ、のヤーヤー。他には姿かたちはヤギだがオナラがでかいヘービックリ。どうみてもヒョウだが体が桃色のヒョイ。などなど。冒頭のこうした彼らの紹介でけっこう心は持ってかれる。
・テーマはストレートだ。愛。愛された思い出で、人は生きられる。でも事件は二本立てで、理不尽さもあったりして、話の運びは意外と単純じゃない。
・「アコというのは、私の愛する子という意味の名前よ」というセリフに、ああ日本語で書かれた本を読んでいるなあと実感(最近英語原作の児童書をよく読んでいたから)。別に雰囲気が「和風」ってわけじゃないが、動物たちのふしぎな名付けも含めて、日本語が味わい深い(文章がというよりは、単語が)。