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萩原延壽集(1) の商品レビュー

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2017/04/13

馬場辰猪って誰?と思った。 「遠い崖ーアーネスト・サトウ日記抄(全14巻)」に流れる明治の空気に魅了され、萩原延壽の著作を追いかけて本書を手にとってみたが、明治10年代の自由民権運動の政治活動家は初耳だった。 しかし敗北した政治家の悲哀さというか、1888年(明治21年)39歳...

馬場辰猪って誰?と思った。 「遠い崖ーアーネスト・サトウ日記抄(全14巻)」に流れる明治の空気に魅了され、萩原延壽の著作を追いかけて本書を手にとってみたが、明治10年代の自由民権運動の政治活動家は初耳だった。 しかし敗北した政治家の悲哀さというか、1888年(明治21年)39歳アメリカで客死とは余りにも苛烈な生き方である。 著者の作品は全て時代の空気が濃密に流れているが、本書は明治初期の政治ピラミッド地図の下層部分をじっくり観察する気分を抱いた。当然全編が暗い。カタルシスもない。しかし、明治憲法体制がなぜ必要とされたのかという明治日本の空気がわかる本であると思った。 2017年4月読了。

Posted byブクログ