捜神鬼 の商品レビュー

西村寿行(著者)

2015/07/29

小学館文庫版『捜神鬼』に未収録だった「痩牛鬼」を確認するために購入した。西村寿行には珍しい、社会性のある作品である。もしかしたら霜降り牛は、畜産の歴史が短い農耕民族だから発想できた、悪魔の技術かもしれないと思った。予感通り、4作品中、「痩牛鬼」が最も良い。ラストの美しさは、映画『砂の器』を思わせる。

2009/10/04

西村寿行の動物小説集。
西村寿行といえばバイオレンスとエロスばかりが強調されるが、デビュー作は「新世界動物記」というノンフィクション。
西村作品からバイオレンスとエロスを取り去ると、そこには叙情豊かな作品世界が広がっている。
西村作品で私が読み捨てにできないものは20作以上ある。

表紙画像は現在入手可能な徳間文庫版。
http://lh4.ggpht.com/_A53tYw7stVg/SdsoiPawxPI/AAAAAAAAAGw/rDtaB65Eiac/%E6%8D%9C%E7%A5%9E%E9%AC%BC%EF%BC%88%E5%BE%B3%E9%96%93%E6%96%87%E5%BA%AB%E7%89%88%EF%BC%89.jpg