やがて目覚めない朝が来る の商品レビュー
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ミラさんの美学が、素敵だった。 訃報なんて、知るべき時がくれば自然に知れる。一斉に知る必要はない、ずっと後だってかまわない。その時が来たら、ああ死んだんだ、て1秒が2秒思ってもらえればいい。その時、もういないのだから。 それと、のぶ、お母さんが、舟、お父さんに言ったことば。「殺すと憎くなくなるの?」 表題が、読み終えたあとにすとんと胸に収まる。夢見心地で毎晩眠りにつければ、素敵だろうなぁ。
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主人公・有加が語る、祖母の物語。 題名が全て。すべて物語ってます。 祖母・蕗さん(「おばあちゃん」ではなく「蕗さん」)は未婚で有加の父を出産、 その後電撃引退をした女優・・・と、設定がいろいろと「いわゆる普通の家庭」じゃない。 舞台女優・芸能人。という空気から、こういうのもアリ...
主人公・有加が語る、祖母の物語。 題名が全て。すべて物語ってます。 祖母・蕗さん(「おばあちゃん」ではなく「蕗さん」)は未婚で有加の父を出産、 その後電撃引退をした女優・・・と、設定がいろいろと「いわゆる普通の家庭」じゃない。 舞台女優・芸能人。という空気から、こういうのもアリなのかな、 蕗さんの周囲に集まるのが、かなり風変りな人たちなのも納得させられちゃう感じ。 大島氏の文体の、淡々とした感じ。 不幸が中和されて、独特のやさしさうつくしさ懐かしさ、に変化しちゃうというか。 「ピエタ」も感じたんですが、大島氏の作品は 読後やさしい余韻に浸れます。
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蕗さんが、美しいまま終わっていたら「あぁ、やっぱりきれい事か」と思ったに違いない。老いは残酷だけど、かならずくるものだから。でも、ミラさんのさよならの仕方は憧れる。
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少女は、魅力的な大人たちに囲まれて、大人になっていく。すべてを包み込んで穏やかに流れていく時間と人生のきらめきを描き出す、今、最注目の著者の最高傑作。 --------- 大島作品を読んでみるきっかけになった1冊。 タイトル借りだったけど、魅力的な大人たちに惹きこまれる1冊。 ...
少女は、魅力的な大人たちに囲まれて、大人になっていく。すべてを包み込んで穏やかに流れていく時間と人生のきらめきを描き出す、今、最注目の著者の最高傑作。 --------- 大島作品を読んでみるきっかけになった1冊。 タイトル借りだったけど、魅力的な大人たちに惹きこまれる1冊。 主人公は子ども私なんだけど、 元女優の祖母を中心に、年をとっても個性的なスタイリストや 出版社勤務や不動産会社社長がいたりして。 そもそも、私の母親は、祖母の義理の娘(息子の嫁)なわけで。 でもその二人の関係も素敵で。 しかも小さな頃から、私が大人になるまでのストーリーで。 関係者もどんどん死んでいくw それを受け入れるみんなの様子もよかった。 他の作品を読んでみたくなるくらいの作品でした。
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少女は、魅力的な大人たちに囲まれて、大人になっていく。すべてを包み込んで穏やかに流れていく時間と人生のきらめきを描き出す、今、最注目の著者の最高傑作。(「BOOK」データベースより) すごくおだやかな時間の流れが心地よい小説。誰しもがいつかこの世界からいなくなってしまう。そのこ...
少女は、魅力的な大人たちに囲まれて、大人になっていく。すべてを包み込んで穏やかに流れていく時間と人生のきらめきを描き出す、今、最注目の著者の最高傑作。(「BOOK」データベースより) すごくおだやかな時間の流れが心地よい小説。誰しもがいつかこの世界からいなくなってしまう。そのことを優しく示してくれているようなかんじ。蕗さん、舟ちゃん、田幡さん、ミラさん。みんなすごく性格がでてる終わり方で読んでいて頷けた。
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主人公、有加と母、祖母であり女優であった蕗さんと、蕗さんの仕事仲間たちの物語。 誰しもが必ずいつか迎える死というもの。なんとなくこの作品を読んだら、生きることの対極ではなく、自然な延長線上にあるんだな、と、思えた。 タイトルも、そのまんまなんだけれど、寂しいというよりは緩やかな作品。 蕗さんの周りの人が皆亡くなっても、残った人たちは悲しむというより、笑いながら優しく彼らのことを話す。 だからか、生と死がくっきり線引きされず、どこか優しい感じにまとまっている印象。
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少女は、魅力的な大人たちに囲まれて、大人になっていく。そして、やがて目覚めない朝が来る。 夢のような話。 優しくはない展開もあるのですが、それをすべて含めて夢のような話。 やわらかい余韻が残ります。
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面白かった。読みやすくていっき読み。有加は周りの人に恵まれてる。個性豊かな人たちに囲まれて。蕗さんの周りに集まった人だろうけど、同じように大事にされてるのがすごく伝わった。みんないい人生過ごしてる。
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美しい話。 この世界の死生観が好きだ。 出てくる人がみんな美しい。 読後感は、とても美しい花束を魂がもらったような感じ。 蕗さんが、バラの花を毎日用意する件がとても好きだった。その想いも含めて。
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読んで良かった。ふわっと泣けるし、ふわっと朗らかな気概をもつ。特に、 ミラさんのセリフ。私は、めちゃくちゃ迷惑かけまくりで、心配ばかり掛けて いるので。また、電車の中で涙管を使用してしまった。
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