ボヴァリー夫人 の商品レビュー
エクリチュールそのも…
エクリチュールそのものが小説を形作っていく、反メロドラマ的手法が冴え渡る傑作です。
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『チャタレイ夫人の恋…
『チャタレイ夫人の恋人』のダーク版?ロマンチックな世界を夢見るエンマは姦通に走るが……。有島武郎や三島由紀夫など、日本文学にも多大な影響を与えました。
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スタンダールとバルザ…
スタンダールとバルザックよりはスムーズに読めました。けどやっぱり退屈…。エンマ好きになれないし;
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フローベールは前から読みたかった作家の1人だ。 リアリズム文学と言われるこの作品は悲劇のような気もするが退屈な感じもした。 人生というものは退屈だ。 退屈に甘んじることができない人生もまた退屈で平凡なのかもしれない。 そこにリアルがある。 それこそが人生の味わいだと思う。 そこ...
フローベールは前から読みたかった作家の1人だ。 リアリズム文学と言われるこの作品は悲劇のような気もするが退屈な感じもした。 人生というものは退屈だ。 退屈に甘んじることができない人生もまた退屈で平凡なのかもしれない。 そこにリアルがある。 それこそが人生の味わいだと思う。 そこを書いているこの作品はやはり面白い。
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何はともあれ読み切った。 何だこの小説、不愉快なやつばっか出てくるな。 不倫をする人の自分勝手な理論が目白押しである。 貞淑との間で迷ったりするけど、それも含めて自分に酔っていて楽しそうだ。
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ボヴァリー医師の妻、美しいエマが、姦通を重ね、虚栄に溺れ、借財に追われ身を滅ぼす話。目の前の誘惑に負ける、強欲で愚かなエマ。遺された者のことを考えない、身勝手で卑怯なエマ。でも、およそ500ページにも及ぶ彼女の半生を辿ると、同情してしまう自分もいる。 エマは根から倫理に反した人間ではなかった。ただの夢見がちな少女だった。親や周囲に決められた結婚だったが、夢を見るだけに止まっていた。参事官の演説中、ロドルフがエマを口説く場面では、その行間にエマ(天使)とエマ(悪魔)の会話が隠れているみたい。彼女の葛藤が見事に現れていた。そして、彼女の人生の転落へ扉が開かれる印象的なシーンだった。一度身を持ち崩すと転がるように破滅の道を進む。夫が仕事で失敗し、自尊心の痛打をうけたときには、操正しくしたことを後悔すらする厚顔ぷり。 シャルルもシャルルで、エマの不貞に一切気がつかず(死後ロドルフからの手紙を見つけてもなお疑わないほどに現実から目を背けていたのだろう)、エマに理想を押し付けていたんじゃないかな、と思う。でもシャルルが全きの悪人でないところにこの物語のやりきれなさがある。 結局はエマの周りの人は誰一人幸せにならず、現実を生きる薬屋オメーと悪商人ルウルーだけが成功を収める。対比が痛烈。 現代だって、有名人の不倫なんてどーーでもいいことを第三者が鬼の首を取ったようにやいのやいの言うんだから、この小説が発表された19世紀には問題作扱いされるのは当然とも言える。裁判にまで発展し、そこで作者が発した「ボヴァリー夫人はわたしだ」という言葉はあまりにも有名。この言葉の裏にあるのは、「誰の心にもボヴァリー夫人がいる」ってことなのかな??????????
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退屈な夫の生活に嫌気がさし、不倫を重ねて、身を滅ぼす夫人の話。死ぬまでに読むべき1000冊の本のリストにあって、友人が話題にしていたので読んでみました。
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2部までは読むのが少々しんどかったが、3部はすらすら読めた。主人公のエマも勿論愚かだけど、夫も不倫相手も出入りの商人も隣人も俗物ばかり。最後は低俗な薬剤師オメーと俗悪な商人ルウルーだけが幸運に見舞われ、残りの人々は哀しい結末を迎える。これが人生か!となんとも遣る瀬無い。 エマが...
2部までは読むのが少々しんどかったが、3部はすらすら読めた。主人公のエマも勿論愚かだけど、夫も不倫相手も出入りの商人も隣人も俗物ばかり。最後は低俗な薬剤師オメーと俗悪な商人ルウルーだけが幸運に見舞われ、残りの人々は哀しい結末を迎える。これが人生か!となんとも遣る瀬無い。 エマが無駄遣いに歯止めが効かなくなるのはあり得る事だと思うが、愛人に去られた後何ヶ月も寝込むというのが解せない。男目線でそうあってくれたら可愛いのかもしれないが、普通の女は1週間もしたら過去は水に流して未来に目を向けるのではないか? 確かにこの時代の主婦は仕事もないが、家事や育児すら自分でやらず、夫の仕事も発展がないとなると将来の希望も持てなくなるかもしれない。ある意味気の毒ではある。
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ボヴァリー夫人がもしもほんの少しだけ物事の見方を変えていたら、ずっと幸せだったのに。 彼女は誰も自分のことを心からは愛してくれないと思っていたけれども、本当は間近にいたのに。 ロドルフの様な男の人って本当にいるだろう。 勉強になった… 2015/6/3
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想像したよりもずっと楽しんで読めた。 エマはゾラのナナのような根っからの奔放な女性では無かったように思う。では誰が犯人か?夫であるボヴァリー医師その人だろう。社会的に高い立場にいながら(この職を得ることが出来たのも母のお陰なのだが)、誰からも尊敬をえられず、その自らの立場にも気づ...
想像したよりもずっと楽しんで読めた。 エマはゾラのナナのような根っからの奔放な女性では無かったように思う。では誰が犯人か?夫であるボヴァリー医師その人だろう。社会的に高い立場にいながら(この職を得ることが出来たのも母のお陰なのだが)、誰からも尊敬をえられず、その自らの立場にも気づかず、何とか起死回生を狙った手術のただ一回の失敗に自信を無くし、あげくに最後まで妻の不満や不貞にも気づかない愚鈍さ。エマは結婚という契約に縛られながら、自分を決して満たすことのない夫から離れ、女としての憧れや夢を外の愛人達に求める。結果、期待は裏切られ、最後には自滅へと至る。無知と田舎者特有の富や贅沢への憧れ故に悲劇的な最後を迎えざるを得なかったエマだが、決して彼女のせいだけでなく、彼女を取り巻く男達のだらしなさが彼女を追い詰めたのかもしれない。
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