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郷愁 の商品レビュー

3.7

25件のお客様レビュー

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2016/02/11

「車輪の下」に次いで読んだヘッセ。 自然描写は美しい。恋愛描写はいつも苦しいものとなっている。芸術へのあこがれも挫折し、郷里に帰る。 そんな描写が心を打つのだろうか。 ポピーとの部分はきれいでよかった。

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2015/03/30

ヘッセの出世作だが、「車輪の下」の後に読んだので、特段に強い印象は受けなかった。 良くも悪くも「小説」といった内容で、個人的には、心に残るようなインパクトに乏しかった。

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2014/10/29

人生にはある程度年をとったからわかってくることも多い。ヘッセの郷愁は年をとった今だからこそ理解が進んだんだろうと思うが、ヘッセの若い頃の作品と知り驚いた。心理描写も多く読みやすい作品ではないし、とっちらかっているのは否定できないが、若者の成長については本質をついている。

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2013/05/09

故郷を離れ都会で文筆家として暮らしをたてるペーター。エリザベートへの叶わぬ恋と、身障者ボビーへの献身的な愛とを通し、ペーターは成長していく。そして都会の文明が肌にあわず故郷へ舞い戻る。 「春の嵐」にも出てくる、両親への愛の挫折がここでも描かれる。というかヘッセはだいたいテーマが...

故郷を離れ都会で文筆家として暮らしをたてるペーター。エリザベートへの叶わぬ恋と、身障者ボビーへの献身的な愛とを通し、ペーターは成長していく。そして都会の文明が肌にあわず故郷へ舞い戻る。 「春の嵐」にも出てくる、両親への愛の挫折がここでも描かれる。というかヘッセはだいたいテーマがくりかえしなのだな。 文明よりも自然、勉強よりも感情、俗より聖。ほいでもってヘッセといえば恋愛について深く書いているという認識でいたけども、案外と友情のほうにより重きを置いている。 というより大抵は恋愛に挫折する青年が描かれていて、彼に愛を教えてくれるのは男の友情というわけだ。 本書では、あんまり筋がぴんと通りすぎているという気がする。自然描写が多くてかったるいし、思想のうねるようなヘッセ節みたいなものがさく裂しない。あるいは悩み自体がまだ多少は鮮度を保っていて、それほど時間がたっていないように思える。「春の嵐」のような快方への方向性もまだ模索の段階である感じ。 「過去」でなければ、それは「物語」とはいえない。 腐りかけぐらいがうめーってことだろうか。 >「おたずねしますが、その恋はあなたを幸福にしていますか、それとも不幸にしていますか、それとも両方ですか」 「ああ、恋というものは、私たちを幸福にするためにあるのではありません。恋は、私たちが悩んだり耐え忍んだりすることにかけてどのくらい強くありうるかを、私たちに示すために、あるのだと思いますわ」 >私は友情と女性の愛と青春を信じてきた。いまはそれがつぎつぎと私を見捨てた。なぜ私は神を信じ、より強いその手にわが身をゆだねなかったのだろうか。しかし私は終生子どものように小心で、しかも強情だった。ほんとうの生命があらしのように私を襲い、私を賢く豊かにし、大きな翼に乗せて、熟した幸福に向け私を運んで行ってくれるだろうと、私はいつも待ち受けていた。 しかし、賢明で、計算のこまかい人生は、沈黙したまま、私をただようにまかせた。人生は私にあらしも星も送らず、私がふたたび小さく辛抱強くなり、私の強情がくじけるのを待った。高慢と、知ったかぶりの喜劇を、私に演じさせておき、知らん顔をしてそれを見すごし、迷った子どもがふたたび母を見つけるのを待っていた。 >きれいな娘たちはたがいにひどく似ていたので、その美しさは私にはいつも種族的なものと思われ、個人的な特徴とは思われなかった

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2013/03/27

http://ameblo.jp/sweet--ballet/entry-11497155576.html

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2013/02/05

ヘッセの作品を読めば、ヨーロッパのみずみずしい風景が呼吸しながら目前に現れる。処女作である本書も勿論例外ではない。また、甘く酸い青春の所々に表される主人公の抒情性に、思わず自分の体験と重なり感情移入して読んでしまう。ヘッセの全作品を貫く本質がうかがえる。

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2012/10/26

地元を離れ詩人として生きる主人公の姿が、自分と重なる部分があり思わず読み入ってしまった。 著書はヘッセ27歳の時の作品であることにも驚きを隠せない。 というのもとにかく文章が綺麗で美しい。 そして自然の描写が素晴らしく読んでいるだけで情景が思わず頭に浮かぶ。 私みたいに田舎で...

地元を離れ詩人として生きる主人公の姿が、自分と重なる部分があり思わず読み入ってしまった。 著書はヘッセ27歳の時の作品であることにも驚きを隠せない。 というのもとにかく文章が綺麗で美しい。 そして自然の描写が素晴らしく読んでいるだけで情景が思わず頭に浮かぶ。 私みたいに田舎で育ち、一度地元を離れたものに読んでもらいたい。

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2012/10/20

朝読むと、ヘッセの詩的で情緒的で表現力あふれる描写に爽快な気分になるが、夜疲れている時に読むと、「めんどくさいわ!」となる。

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2012/01/30

とにかく、自然や主人公ペーターの周りの情景の描写が美しい。山間の小さな村も、湖も、街も、読んでいるだけで目に浮かぶくらい緻密で美しい表現。これまでに読んだヘッセの作品の中では、ストーリー的に大きな起伏がある方ではないが、全編にわたって「愛」と「死」による静かな感動が波のように押し...

とにかく、自然や主人公ペーターの周りの情景の描写が美しい。山間の小さな村も、湖も、街も、読んでいるだけで目に浮かぶくらい緻密で美しい表現。これまでに読んだヘッセの作品の中では、ストーリー的に大きな起伏がある方ではないが、全編にわたって「愛」と「死」による静かな感動が波のように押し寄せる作品だった。紆余曲折がありながら、自分のルーツを否定しない生き方には憧れる。自分の生まれ育った環境というのは、生きていく上でたびたび自分を動かす原動力をもたらすものなのだろうと思う。

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2012/01/02

まるでヘッセの自伝を綴った小説のよう。 主人公カーメンチントは自然豊かな田舎育ち。 荒々しくも美しい山、川、森、空に囲まれ育まれた純真で透明感のある心で、無二の友人、恋心を抱く芸術家、障害者たちとの出会いを鮮明に際立たせる。 繊細でダイナミックな自然描写と、詩的な感情表現が美...

まるでヘッセの自伝を綴った小説のよう。 主人公カーメンチントは自然豊かな田舎育ち。 荒々しくも美しい山、川、森、空に囲まれ育まれた純真で透明感のある心で、無二の友人、恋心を抱く芸術家、障害者たちとの出会いを鮮明に際立たせる。 繊細でダイナミックな自然描写と、詩的な感情表現が美しい文学小説。 やや回りくどい感は否めないが、海外文学の入門書としておすすめ。

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