銀河英雄伝説(5) の商品レビュー
やっと折り返しの5巻。ついにヤンとラインハルトが直接対面します。 「民主政治において悪政者を政権につけたのは、人民自身の責任です。まさに肝腎なのはその点であって、専制政治の罪とは、人民が政治の害悪を他人のせいにできるという点につきるのです」 当然のことですが、厳しいご意見。とはい...
やっと折り返しの5巻。ついにヤンとラインハルトが直接対面します。 「民主政治において悪政者を政権につけたのは、人民自身の責任です。まさに肝腎なのはその点であって、専制政治の罪とは、人民が政治の害悪を他人のせいにできるという点につきるのです」 当然のことですが、厳しいご意見。とはいえこの考え方は能力があるものの発想だなぁとも思ってしまいます。 第5巻の主な出来事 ・バーミリオン星域会戦 ・ヤンとラインハルトの対面
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生活無能力者という設定ではあるけれど、返事をもらってないは無いよなぁ。勇気を総動員したのではあろうが。 一方で、二人分の運を背負っているから負けないと明言したラインハルトは、言葉通り戦略的には負けないままに大きな区切りを迎える。まさに前半最大の山場だろう。
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事実に対する客観的姿勢を反映した,学者としての冷徹な筆致と,ストーリーテラーとしての読者を引きずり込むような作家としての筆致とが融合する,この独自のスタイルが田中芳樹という作家の唯一無二の独自性と魅力だと得心するに至る.読んでいて,古今東西の歴史に通じた博学から,本には決して現れ...
事実に対する客観的姿勢を反映した,学者としての冷徹な筆致と,ストーリーテラーとしての読者を引きずり込むような作家としての筆致とが融合する,この独自のスタイルが田中芳樹という作家の唯一無二の独自性と魅力だと得心するに至る.読んでいて,古今東西の歴史に通じた博学から,本には決して現れないプロットや背景が膨大にかつ緻密に用意されていることが容易に感じられ,また,それらを妄想し構築するのが楽しくて仕方が無い様子が窺える.
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田中芳樹さんの物語の特徴って、その執筆方法にあると思うんですね まず、大枠が決められる 結末とそこに至る具体的な流れ この銀英伝も全10巻というのが最初から決められてスタートしています もちろんそうでないシリーズや当初の予定から大幅に進路変更したシリーズなどもあるようですが、こ...
田中芳樹さんの物語の特徴って、その執筆方法にあると思うんですね まず、大枠が決められる 結末とそこに至る具体的な流れ この銀英伝も全10巻というのが最初から決められてスタートしています もちろんそうでないシリーズや当初の予定から大幅に進路変更したシリーズなどもあるようですが、この銀英伝についてはそうです では表現方法としてこの執筆方法がどういった影響を与えるかというと なんとなく未来を暗示される表現が多用され、それがまたぐっときます または直接的に「後世ヤンは…」みたいな表現もいいんですよね これってまさに歴史小説ですよね 結末が決まっている歴史小説なんです銀英伝は だけど実際の読者は当然結末を知らない 読者が結末を知らない別世界の歴史小説 ものすごい稀有なジャンルを生み出しちゃってるんですよね って散々語り尽くされたこの名作に今更なんか偉そうに自説を語っちゃいましたねw 見逃してちょ!
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この巻を読みたびに あの時ミュラーがいなければ… あの時停戦命令がもう少しでも遅れていれば… などと架空の歴史であることを忘れてついつい夢想してしまう。 銀英伝の面白さここに極まる。
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今回も面白かった! 物語としても面白いし、民主主義の価値やその限界についての議論も面白い。 フレデリカいいなぁ。
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ヤンとラインハルトとの対決、同盟軍と帝国軍の命運が遂に一区切り。相変わらずの金言の数々。とにかく同盟軍側のヤン側のキャラクターがそれほど欠けずに終われて一安心。
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とうとうやってきた直接対決。バーミリオン会戦。 戦争ものでこんなテンポで読んだのは『坂の上の雲』以来だ。 「戦術」があるのはもちろんだが、そこに登場人物たちのこころ、パーソナリティーがからんで話が進行していく様がすごい。 ストーリー本編としての大きなうねりもありつつ、それ...
とうとうやってきた直接対決。バーミリオン会戦。 戦争ものでこんなテンポで読んだのは『坂の上の雲』以来だ。 「戦術」があるのはもちろんだが、そこに登場人物たちのこころ、パーソナリティーがからんで話が進行していく様がすごい。 ストーリー本編としての大きなうねりもありつつ、それと同時に起こるサイドストーリーがまた見逃せない厚さ。熱さでもある。これでまだ五巻っていったいどういうことだ!という本編折り返し地点。
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ラインハルトとヤン・ウェンリーの直接対決と、物語の一旦の区切りとなった本巻。 まったく予想出来なかった展開に驚きの連続でした。いくつかの伏線を残しつつ、次巻からどう物語が進むのか、全然読めない...
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ユリアンが無事ヤンのもとに戻れて一安心だ。 「提督が地獄へいらっしゃるなら、ほくもおともします」とユリアンが冗談めかして言った時 ヤンが「お前には天国へ行ってもらって、釣糸で私を地獄からつりあげてもらうつもりなんだ。せいぜい善行をつんでおいてほしいな」 と返すところが好きだ。 フレデリカへのプロポーズのシーンはとても素敵。 こんな風に言われたら、自分も本当に嬉しくて イエスの返事すら忘れてしまいそうだ。
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