ヘーゲルにおける共和主義と市民社会 の商品レビュー
ヘーゲルの国家および市民社会にかんする論文を収録している本です。 四つの章から構成されており、第一章ではフランクフルト期からイエナ期にかけて執筆された『ドイツ国制論』を検討の対象にとりあげています。さらにハイデルベルク期のテクストや『法の哲学』などを対象に、ヘーゲルの国家論につ...
ヘーゲルの国家および市民社会にかんする論文を収録している本です。 四つの章から構成されており、第一章ではフランクフルト期からイエナ期にかけて執筆された『ドイツ国制論』を検討の対象にとりあげています。さらにハイデルベルク期のテクストや『法の哲学』などを対象に、ヘーゲルの国家論についての考察がなされています。 若き『キリスト教とその精神』において語られた、若きヘーゲルの「生の全体性」に対する共感が、その後フランス革命に対する評価の揺れ動きや市民社会の位置づけについての模索などを経て、どのようなしかたで彼の国家論との調停が図られたのかということが、本書の主要なテーマといえるように思います。とりわけ第三章では『法の哲学』における団体と議会の役割が、第四章ではポリツァイの評価についての議論をとりあげ、それらの制度を通してヘーゲルがどのように公共性の形成をえがき出そうとしていたのかということが解明されています。
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