ポルシェ の商品レビュー
昭和58年(1983年)に出版された本。 ですのでいわゆる930型の途中までが網羅されています。 よい一冊でした。
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昭和58年(1983年)の発行だから、3代目ポルシェ911通称964がデビューする前、2代目930の時代です。 === 【前半】 当時のポルシェの市販モデルをひと通り紹介してから、次にポルシェ911の初代から当時の最新モデル(1983年モデル)までを、もっと詳しく、通称Aシリーズ...
昭和58年(1983年)の発行だから、3代目ポルシェ911通称964がデビューする前、2代目930の時代です。 === 【前半】 当時のポルシェの市販モデルをひと通り紹介してから、次にポルシェ911の初代から当時の最新モデル(1983年モデル)までを、もっと詳しく、通称AシリーズからLシリーズまでに分けて紹介しています。 さすがに、マトモな健常人だと「初代901」とか「2代目930」までで、その先「Aシリーズ」とかは意味不明だと思うけど……この宗教は、そういう分類をするんです。 === 【後半その1】 後半はレーシングポルシェで、その最初は私の憧れ「904GTS」 アマチュアが週末に自宅からサーキットまで自走して行ってレースを戦って、そのまま自宅まで自走で帰っていた時代の、最後の頃のモデル。 そして、ひと昔12年ぐらい前のF1マシンと同じ最高速を実現しておきながら、あちこちのレースやラリーの無改造クラスで勝ちまくったクルマ。 これ以降は、速くなり過ぎたレーシングカーはサーキット専用になって、一般公道を走るスポーツカーとは明確に区別されていったから、「904GTS」をレーシングポルシェの元祖としてレーシングカーに分類する人もいれば、スポーツカーに分類する人もいる。 この本は、前者の立場で紹介しています。 === 【後半その2】 ポルシェ初の市販車「356」のモデル末期に「904GTS」が登場。 その直後に「356」が「911」にモデルチェンジ。 そういう市販の小排気量スポーツカーで次々とルマン24時間レースに出場して、ものすごい数のクラス優勝を積み重ねていく一方で、初めての総合優勝を目指して大排気量レーシングカーの開発まっしぐら。 ……という、レーシングポルシェ初期の歴代マシンも紹介されています。 === 【後半その3】 1970年にようやくルマン24時間レースで初優勝すると、翌年も連覇。 ここから常勝時代が始まって、通算19勝という現在までの最多勝記録に至ります。 この本が出版されたのは1983年だから、1982年にポルシェ956がデビューして2年目。 つまり、デビューウィンから圧勝でルマン24時間レースを2連覇した直後。 「こんな無敵のモンスターも、実は市販車ポルシェ911のエンジンがベースなんですよ」という話が載ってます。 「公称650馬力だけど、その気になれば800馬力ぐらい出せるみたいです」とも書いてあるけど…… いやいやいや、その後、自動車メーカー各社から追い詰められると1000馬力オーバーを絞り出して突き離したし、その時の予選タイムは今でもコースレコードのままですがな。 っていうか、いくら封鎖してるとはいっても、フランスの片田舎の凸凹に荒れて左右に傾いてもいる一般公道を、1000馬力オーバーでタイムアタックという時点で、頭おかしいし。 そんな荒れた道を、しかも豪雨の中、時速360km以上でハンドルから両手を離してもまっすぐに走って行くとか、快適でちっとも疲れないというのも、次元が違い過ぎて想像がつかないし。 まさか、その後ずっと合計6連覇して、しかも(市販まで始めちゃったもんだから)世界中の耐久レースがポルシェ956だらけになるとは、この当時は誰も予想してなかったんだろうなぁ。 === 前半の市販車911の話に戻すと、2代目930になってから亜鉛めっき鋼板を採用したことで、かなり長寿命化した(錆びに強くなった)という話も載っています。 市販車928の販売不振から社長が交代して、そこからレースへの積極参加(956の開発)と、市販車911の再開発(911カブリオレの大成功)と、3代目964で実現することになる4WD化のプロジェクトも始まった、という話も。 === Wikipediaとかでガッツリ読み込む前に、サラッと学べる感じ。 私と同じ病気持ちの方には、オススメします。
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