STAND の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
レイプ被害から立ち上がり、全米で性暴力被害者の写真プロジェクトを展開した日本人フォトジャーナリスト大藪順子氏の手記。 彼女は、自宅でレイプ被害に遭い、辛い状況下で、葛藤しながら、新しい家、新しい仕事、新しい教会を選択していく。彼女のフェアな陳述書が裁判官の心に届き、加害者には20年の刑が下される。また、彼女は加害者に手紙を書き、投函したことで、うつからも解放されるのだ。 その後、写真プロジェクト「STAND:性暴力サバイバー達の素顔」を立ち上げ、70人ものサバイバーに直接取材をして撮影し、写真展や講演を行っている。一人ひとりの被害や、思いが丁寧に書かれており、本書の中にもサバイバー達の写真が載せられている。 読み進むほどに、彼女は立ち上がっていき、読者も、彼女と一緒に立ち上がっていくことができる。そして、皆が立ち上がる力を、自分も立ち上がる力を持っていると気付かされる。 最後に、あとがきの著者の言葉を紹介する。 「この本が、泣寝入りを強いられている性暴力被害者へ届くことを願っている。その一人ひとりが、世界でたった一人の特別な存在であること、つらい経験があるからこそ、被害後の人生をもっと輝いて幸せに過ごすことが可能であることに気付いてもらえるように祈りつつ。」 被害に遭ったのが自宅というところや心身の不調に気付いたのが被害から1年もたってからというところが自分と同じで分かるわかると読んでました。彼女の本に勇気づけられて、読んですぐに私も被害現場の自宅から引っ越しをしました。 読む前は、アメリカ生活が長い著者とは文化的にも思想的にも感覚が違って読んでも違和感しかないのかと偏見を持ってしまっていましたが、被害者の苦悩に国境はないなと思いました。
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読んでよかった。こういう立ち上がり方もあるんだなあと思った。強いなあとも。そして、キリスト教の神についても考えさせられた。しかし、性犯罪の多いこと、刑罰が軽いことは問題である。問題であり続けている。加えて、被害者の尊厳の回復や人権保護は当たり前のことなのに、セカンドレイプなどが依...
読んでよかった。こういう立ち上がり方もあるんだなあと思った。強いなあとも。そして、キリスト教の神についても考えさせられた。しかし、性犯罪の多いこと、刑罰が軽いことは問題である。問題であり続けている。加えて、被害者の尊厳の回復や人権保護は当たり前のことなのに、セカンドレイプなどが依然としてあり、被害にあったら被害後も苦しめられるような状況がある。性犯罪被害の場合、表に出て意見を主張したり、自己の経験を語ると、好奇の目でみるおばかさん達が絶対に存在する。そのような恥知らずを気にしない強さは本当は必要ない。被害者が声を大にして権利を主張しなくても、救われるような体制がもとよりあれば、被害者が必要以上に強くならなければならないこともなくなるだろう。精神的苦痛を味わった上に、事後にも苦痛を増やさないように、刑罰を重くすべきだし、出所後の対策も厳重にすべきだ。嫌悪感を声高に主張しなければ意志が伝わらないほど、一部の人間の想像力は摩滅していると思うと、恐ろしい限りである。
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自宅でレイプにあった著者が、さまざまな人に支えられながら、あきらめず、自分しかできないプロジェクトをしようと思い立つまでのプロセスがよく分かる。「一人の力は小さいように見えるけど、実はすごく大きな意味がある。小さい一人がどんな状況でもあきらめないことによって、周りもがんばろうと思...
自宅でレイプにあった著者が、さまざまな人に支えられながら、あきらめず、自分しかできないプロジェクトをしようと思い立つまでのプロセスがよく分かる。「一人の力は小さいように見えるけど、実はすごく大きな意味がある。小さい一人がどんな状況でもあきらめないことによって、周りもがんばろうと思ったりするような、そんな連鎖反応が大きな力を生み出していくと思うの。(本文 p.166)」写真がとても美しい。性被害にあった人が何を求めているのか、私たちがその人に対してできることは何なのか、が考えることができる。080306読了。
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2008.2.16 神さまはいかなる時も私達と共に居られ、私達が求めれば、適った時にいろんな形で助けを与えてくれる・・・。
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