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韓国美の探究 の商品レビュー

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2009/10/07

「その馬の頭は異常に大きく、四肢はあまりにも太くて短い。だからそれに乗るとのろくてどうしようもないだろうと思われる。しかし、この馬に乗っている正装の貴人は自分なりに威風を誇示しており、その前に立って道をあけろと銅鐸を振っている従人の胸はのけぞっている。これを見たとたん、新羅版ドン...

「その馬の頭は異常に大きく、四肢はあまりにも太くて短い。だからそれに乗るとのろくてどうしようもないだろうと思われる。しかし、この馬に乗っている正装の貴人は自分なりに威風を誇示しており、その前に立って道をあけろと銅鐸を振っている従人の胸はのけぞっている。これを見たとたん、新羅版ドン・キホーテを見るような楽しさと微笑を感ぜざるを得ない。しかし、この土偶を作った新羅の陶工は、夭折した王子の明器として最も厳粛な気持ちでこの制作に臨んだに違いないのである。彼の真摯な態度は、彼が最も工夫してモデリングした馬の鼻筋によく反映している。彼が感じた最も印象的な馬体のアナトミが、その独特の感触を与える鼻と、そのまわりであったことはあきらかである。それで彼は、その部分を再現するためにいちばん努力したし、また成功した。しかし、その他の部分においては、韓国人特有の‘どうでもいい’という省略と無関心さがあらわれている。ところがこの土偶を一つの統一体としてみると、調和の美しさがあらわれてくるのである」。土偶はたいてい不恰好なものだからこれを韓国人のみの特徴とするのは時期尚早なのではないかという気がしたのだけれど、やっぱり昔からそうだったんだねと思ったのと、著者の主張する韓国美の基調はこういう感じだというのが良く出ているのと、土偶の描写が良くて見たくなったのでメモ。国立博物館・三国時代室

Posted byブクログ