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哲学の始まり の商品レビュー

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2012/07/22

ガダマーという名前が日本の一般読者に知られるようになってきたのは比較的最近のことだろう。 これには、講談社から出版された”現代思想の冒険者たち”の第12巻「ガダマー~地平の融合~」が幾分か寄与しているように個人的には思っている。 1900年に生れて2002年に没したハンス=ゲ...

ガダマーという名前が日本の一般読者に知られるようになってきたのは比較的最近のことだろう。 これには、講談社から出版された”現代思想の冒険者たち”の第12巻「ガダマー~地平の融合~」が幾分か寄与しているように個人的には思っている。 1900年に生れて2002年に没したハンス=ゲオルグ・ガダマー。 その主著である「真理と方法」(1960)の第一巻が邦訳されたのは1986年になってからのこと。実に四半世紀のタイムラグがある。 *著されたものが、翻訳されるまでに20年を過ぎてということは珍しくはないが、ドラッグラグと同様の問題でもある。 ハルトマン、ハイデガーなどに教えを受けその思想を継承・発展させたガダマーの「解釈学」は興味深いものがある。 この「哲学の始まり」は副題に”初期ギリシャ哲学講義”とあるように、1988年、ガダマーが88歳のときにイタリアで講義した一連のものを イタリア語での講義→イタリア語版で出版→ドイツ語訳→レクラム文庫→これを原本として邦訳、という推移がある。 講義なので、これはとてもとっつきやすい。 (入門ということではガダマーの自伝である「哲学修業時代」も面白い。) プラトン、アリストテレスについて勉強するにあたりとても良いテキストだと思う。

Posted byブクログ

2011/03/05

プラトンとアリストテレスを入口として、ガダマーはソクラテス以前のギリシャ哲学を一望し、現在の「西欧」の理性の来し方について考察する。そして古代と近代を眺め渡しつつ、その論述はやがてハイデガーの存在論へと向かう。積み上げられたテキストを詳細に点検していくその解釈学的アプローチの美し...

プラトンとアリストテレスを入口として、ガダマーはソクラテス以前のギリシャ哲学を一望し、現在の「西欧」の理性の来し方について考察する。そして古代と近代を眺め渡しつつ、その論述はやがてハイデガーの存在論へと向かう。積み上げられたテキストを詳細に点検していくその解釈学的アプローチの美しさは見事。

Posted byブクログ