小説 太平洋戦争(1) の商品レビュー
東条内閣や軍部指導者層がその実平和を希求していたことは最近は割と知られている。その根本にあるのは天皇への絶対的な忠誠だったり、冷静な国際情勢の分析に基づくものであったが、それらが良く描き出されている。本文にはルーズベルトが日本を戦争をさせるよう周到に謀略を組上げていったように描か...
東条内閣や軍部指導者層がその実平和を希求していたことは最近は割と知られている。その根本にあるのは天皇への絶対的な忠誠だったり、冷静な国際情勢の分析に基づくものであったが、それらが良く描き出されている。本文にはルーズベルトが日本を戦争をさせるよう周到に謀略を組上げていったように描かれ、その根底には白人優越主義があるという説明がなされるが、こういった思想は現代の指導者にはなかろうか。戦闘の描写よりも戦争に至る原因に目を向けさせる作品である。
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