懐しのサルコンヌ の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
シャーロット・ラム作、馬渕早苗訳『懐しのサルコンヌ』(ハーレクイン・ロマンス、昭和56年)読んでるー。相手の浮気で婚約破棄したヒロインと男が偽装結婚して、実家についたら、そこはお城で男は伯爵で、みたいな話。昨日の『リフの花嫁』に引き続きまた偽装結婚。最後は本当に愛し合うんだろう。 職場恋愛の相手の浮気で婚約破棄したヒロインが偽装結婚、社会的→身体的→精神的に愛し合う夫婦になる話かと思いきや、男は初めから相手に夢中だったとラスト10頁位で明らかになって仰天。 えっ、この人ヒロインに一目惚れで最初から夢中だったっていったいどこが!?と思わず読み返したり。男が言うには「まだ前の男に心が残っている相手に自分の心だけすっかり開いてしまうのはプライドが許さなかった」そうです。お貴族様は難しいですね。 身寄りも無く独りで働いて暮らしてきたヒロインが、嫁ぎ先の親類や友人、使用人たちの中でだんだん居場所を得ていくストーリーは結構いいなと思った。邦題は、初めはひたすら畏れていた居城(=サルコンヌ)が懐かしい我が家になるまで、ということらしい。原題は“Dark Master”。 伯爵家の女主人というのは実は大変な仕事だそうで、午前中はほとんど経理事務みたいな仕事に費やしてるって描写があって、「そういうの執事のセバスチャン(仮名)がやってくれるんじゃないの?」と驚いた。サルコンヌにはメイドさんやコックさんしかいないみたい。 自分が読んでる1960〜90年代のハーレクインは、孤児院育ちや両親が既に他界してるヒロインがめちゃくちゃ多い気がする。父母兄弟姉妹と仲良く実家に住んでるような女は全然出て来ない。シンデレラストーリーに実家の存在は邪魔なんだろうか。
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