月のうた の商品レビュー
素敵な小説でした。 色々な立場の人が、それぞれの立場で精一杯生きてる人間讃歌。愛が根底に流れてる。 民子はどんな大人になったのか、夢を叶えてても、全然違う道を歩いていても、きっとやさしく賢い女性に生長のしているはず。民子だけでなく、同じ登場人物のその後を同じ様に読んでみたい。 ...
素敵な小説でした。 色々な立場の人が、それぞれの立場で精一杯生きてる人間讃歌。愛が根底に流れてる。 民子はどんな大人になったのか、夢を叶えてても、全然違う道を歩いていても、きっとやさしく賢い女性に生長のしているはず。民子だけでなく、同じ登場人物のその後を同じ様に読んでみたい。 物語の続きを書いてくれないかな?
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登場人物がよい。 母を亡くした民子、母方の祖母と父との暮らし、父方の伯母と従兄、父の再婚相手で30代の宏子、母の親友とその息子陽一。 淡々としていながら強い気持ちで自分を保っている民子。 章ごとに違う人物の目線で語られ、時系列に沿って進む。 みんなが民子見守っていて、あたたかい。...
登場人物がよい。 母を亡くした民子、母方の祖母と父との暮らし、父方の伯母と従兄、父の再婚相手で30代の宏子、母の親友とその息子陽一。 淡々としていながら強い気持ちで自分を保っている民子。 章ごとに違う人物の目線で語られ、時系列に沿って進む。 みんなが民子見守っていて、あたたかい。 なんだか頼りないお父さんも、一見何も考えてなさそうな宏子も、月をモチーフにした静かなストーリーもよかった。
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とてもよかった。 この本に出合えたことに感謝したいです。 「むすびや」を読んだことで何となく名前を憶えていた作者さん。 こちらがデビュー作なんですね。 丁寧に綴られた、とてもとても良い話でした。 今度はしっかり名前を刻み込みました。 別作品も読もうと思います。
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子どもと大人というのは時間軸の話で、人間としての度量の大きさとか優しさとかはは子どもと大人という縦軸とはまた違ったベクトルで決まっているような気がします。 もちろん経験によるものも多大とは思いますが、死ぬまで心が狭くて優しくない人なんて腐るほどいますから。 主人公の民子は中学生な...
子どもと大人というのは時間軸の話で、人間としての度量の大きさとか優しさとかはは子どもと大人という縦軸とはまた違ったベクトルで決まっているような気がします。 もちろん経験によるものも多大とは思いますが、死ぬまで心が狭くて優しくない人なんて腐るほどいますから。 主人公の民子は中学生ながらナチュラルに度量が大きく、大人縦軸の拡張でさらに将来開花しそうな、意思も強くて優しい女の子。でもそういう風にあからさまに書いていないのが憎い。それなりにイライラしたりぶつかったりするし、基本愛想が不足しているのですが文章から読み取れる情報だけでも真っ直ぐ育っているのが感じられます。 民子は母を早くに亡くし、その後若い後妻が来るのがポイントなのですが、ここは是非読んで確認して頂きたいです。父親がちょっとあんぽんたんなのは女性陣を引き立てる為なのでしょう。
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小学4年生の時に母をガンで亡くした民子の成長と、その家族の物語。 各章が、民子、継母の宏子、母の親友の祥子、父亮太それぞれの視点から描かれる手法。 最初の民子の章は辛かったです。 まだ中学生の民子は、母と祖母の死を受け入れてはいても、我慢をし続けていることが多数ある様子で、痛々...
小学4年生の時に母をガンで亡くした民子の成長と、その家族の物語。 各章が、民子、継母の宏子、母の親友の祥子、父亮太それぞれの視点から描かれる手法。 最初の民子の章は辛かったです。 まだ中学生の民子は、母と祖母の死を受け入れてはいても、我慢をし続けていることが多数ある様子で、痛々しくて、悲しくなりました。 この章では宏子も亮太も、私の中では悪人の立ち位置で、最後に今のように温かな気持ちで読み終えることが出来るとは思っていませんでした。 とても素敵なお話でした。 民子が幸せになれますように。 国原家の残り3人も、楽しく暮らしていけますように。
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小学四年で母を病気で亡くし、2年後、大好きな祖母も亡くした民子。その民子と彼女を取り巻く人達との話。民子目線の章から始まり、継母、亡くなった母の親友であり、民子の幼馴染の母でもある女性、そして父親目線の章へと続く。各章の主人公だけでなく、祖母、幼馴染、伯母、従兄など、たくさんの人...
小学四年で母を病気で亡くし、2年後、大好きな祖母も亡くした民子。その民子と彼女を取り巻く人達との話。民子目線の章から始まり、継母、亡くなった母の親友であり、民子の幼馴染の母でもある女性、そして父親目線の章へと続く。各章の主人公だけでなく、祖母、幼馴染、伯母、従兄など、たくさんの人が民子をいつも側で温かく見守る。月のように…216ページとボリュームとしては少なめのページ数から伝わってくるものは、とても大きい。中学生の姪に勧めてみようか…
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いい話を読んだなぁ、って素直に思える小説だった。読み心地最高!毎日、月を見て歩きたくなるぞ。 ある家族の物語である。その家庭では妻であり母であった人が肺がんで亡くなっている。そこに若い女性が嫁いでくる。当然その家族には不協和音が生じる。で、その不協和音がどう静まっていくのか?美しい和音になっていく過程を家族を構成する個人個人の目線(一部外野目線含)で追いかけていくテーマで描いた4編からなる短編集である。 日本人にとって理想の家族とは「サザエさん」一家であったり、「ちびまる子」一家であったり、「東京バンドワゴン」一家であったりするんだろうけど、この作品の一家も、これら理想に匹敵するくらい素晴らしい家族なんじゃないかなと、むしろ現代日本にはこういう家族形態こそが目指すべき姿となるんじゃないかな、と思えてくる。 娘の民子の健気さが実にいい、賢くて気配りができてしっかりしてて、でも実は張りつめて生きているので相当しんどくなっていて… 天然系の後妻宏子も、母親の親友とその息子(民子のBF)もいい味出しているし、どしんと構えた民子の祖母や宏子の母親も素晴らしいが、この作品集のキモはやっぱり民子である。娘育てた経験のある男は、マジで健気さに震えるぞ! そして、情けない父親像がまた…、物語後半で赤ん坊に名前を付けることになるんだがそのセンスときたら…、民子が嘆くのもムベなるかな。けど多かれ少なかれ、世の父親はこういう風なもんなんだろうなぁ、俺含め。
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「月のうた」穂高明◆新しい母親、親戚のお兄ちゃん、幼馴染の男子…。主人公・民子の周囲で変わりゆく関係と変わらない関係。著者のデビュー作だそうです。部分部分ではきれいなところもあるのですが、全体的に予定調和というか、どこかで読んだ話を繋いだような印象が拭えぬまま終わってしまった。
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十五夜読書にて。 ポプラ社小説大賞優秀賞受賞作。 4章からなる作品ですが、各章のタイトルも月にちなんだタイトルがつけられていて素敵です。 章毎に視点が変わり、視点が変わることで登場人物達のそれぞれの思いが浮かび上がり、温かく絡み合っていく。 何か大きな盛り上がりがあるわけでは無いのですが、ただただ静かに紡がれていく物語がすっと心に入ってきます。 作中で描かれる月夜の下での様々なエピソードがとても良かったです。 思いがけず良い作品に廻り合えました。 是非月の綺麗な夜に読んでみて下さい。
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