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日本で最もユニークな経営者 の商品レビュー

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2023/06/02
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明治~昭和にかけての大実業家 小林 一三(こばやし いちぞう、1873年(明治6年)1月3日 - 1957年(昭和32年)1月25日)さんは、日本の実業家、政治家。阪急電鉄をはじめとする阪急東宝グループ(現・阪急阪神東宝グループ)の創業者 裕福な商家に生まれるも、生まれてすぐ母が八月二十二日に死去、父とも生き別れたため、おじ夫婦に引き取られて育たれる。 わたしは大袈裟なことではなくて、最近日本人の先人の方で、日本人として当り前に、勇気を持ちたい、尊敬したい、敬いたい、見習いたい、目標にしたい、感謝したいと思うことのできる、育たれ方、働き方、生き方をされた人を持ちたいと思いました。 それは芸能人、スポーツ選手、趣味人的、ファンタジー的、文学、芸術家的な、極端な、一風変わったとか、道を外れた育ち方、働き方、生き方をしてきた人たちの中からではなくてです。 それで小林一三さんの本を読みました。 ご実家が裕福な商家で、ご一族の家柄が良い方だったことも理由だったかもしれませんが、そのご生涯での事業での展開、業績、実績は、大変なものです。 私事ですが、わたしの妹の一人が結婚をして旦那さんと一緒に神戸に住んでいます。 多くの日本人、特に阪急沿線に住んでいる方々にとっては、私の妹夫婦も含めて、大変感謝してもしきれない日本の偉大な先人です。 ー本書からー 大して偉い人のようにも思えないし、このくらいの事なら自分でもできそうだという気を起こさせるものである。しかし、一見なんでもないように見えるところが小林一三の衆にすぐれたところで、生前、親しくした人達から、本人にまつわるエピソードをきけばきくほど、大したジイさんだぞ、という感を強くした。 幼いときから早くも将来を嘱目される人がいる。反対に「大器晩成」といって、若い時は全然目立たなかったのが、年をとるにつれて次第に重きをなすようになる。 小林一三さんは後者であって、我々は成功者や偉人の伝記に接する場合、その人が生まれながらの天才であることを知らされると、一種、畏敬の念に似たものを抱かされるが、同時に親近感がうすれてしまう。その点、小林一三という人の自伝、他伝を読むと、この人程度なら、という安心感が湧いてこないでもない。 凡そ出世の道は卑近な所に拓けて居る。従って青年は大きなことを考える必要がない。いや、考えてはならぬのである。俺は平日怠けて居ても、いざ鎌倉という場合には大にやるとか、俺は一芸一能に秀でて居る、何もアクセスする事はないとか、とかく豪傑を気取って酒色に耽るなどは、今日の時制には大禁物である。こんな不料簡な青年は人に使われない方がよい。自分で何か遣る方が得策である。 (邱)成功術の真髄は、こうした平凡な仕事の積み重ねと、たゆまざる研究心にあるのであろう。 ふだんの研究心と実行力があれば、事業には成功できる。 といった色々の可能性を提供してくれる意味合いで、平凡人を大いに鼓舞してくれるのである。 わたし自身では、こうした極端なことに縋ることになってしまっては良くないとは思いますが、奥様の神懸かり的なエピソードも書かれています。 幼いころ家に大峰山の行者風の男が通りがかって、一回や二回ではなく、彼女の髪をなでながら、お嬢さんの人相は百万人に一人しかない幸福な男のお嫁さんになれる。その旦那さんは、お嬢さんを奥さんに持てば、必ず出世する、とご託宣のようなことを言って、お菓子を渡していった。 といった運命的な、神懸かり的なお話も書かれています。 電鉄会社が百貨店を経営しているところは、日本にはもとより外国にもその例がない。 ヨーロッパ漫遊に出かけた時、ヨーロッパの芝居が依然として上流階級の独占物で一般大衆となんら縁がないのの驚いた。 ヘンリー・フォードの自伝の、商売の考え方や、「…自動車を利用することによって、人類が如何に利益しているかを考えると、独り自分が物質的の利益を授けられたのみならず、世界人類に寄与した幸福と利益との偉大なるを信じて疑わない。」 等の文章を読んで、自分のやってきたことと照らし合わせて、改めて感心した。 「青年よ、独立せよ」 「実例をあげれば、松下幸之助君は、私が大阪にいた頃は一介の電灯会社の技手に過ぎなかった。しかし、彼は独立自尊の観念の強い人であったから、いろいろの仕事を手掛け、そして、いつの場合にも、寝る目も寝ずに身を粉にして働いたので、遂には今日の大をなすことが出来たのである」 「道徳がすたれ、仕事に対する情熱を失った人たちが多いのであるから、真面目に仕事に精を出せば、それが目につく時代である。従って、そういう人々には、出世の道は自らひらけてくるというものだ。だから、今はある意味で、就職も出世も比較的早く達せられる時代と言える」

Posted byブクログ