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方法としての東北 の商品レビュー

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2018/11/13

「東北学」というよりも、赤坂氏の論文集、という傾向の方が高かった。 思っていたのとは違ったけれど、たくさんの示唆が詰まった一冊だった。 特に後半の、「聞き書き」について記された部分には、多くの知恵が潜んでいる。 「東西」の横の軸と、「南北」の縦の軸。 そして、「境界」に横たわる...

「東北学」というよりも、赤坂氏の論文集、という傾向の方が高かった。 思っていたのとは違ったけれど、たくさんの示唆が詰まった一冊だった。 特に後半の、「聞き書き」について記された部分には、多くの知恵が潜んでいる。 「東西」の横の軸と、「南北」の縦の軸。 そして、「境界」に横たわる、見過されてきた多くの歴史。 これまでのミンゾク(民族/民俗)学が、目を反らし続けてきたもの。 これからの「日本」が目指す方向は、そのような中にこそある、と思う。 本書には、そんな「これから」を目指すために必要なものが書かれている。 惜しむべきは、本書が多岐に渡りすぎていて、一つ一つが薄く浅い、という点か。 もっとも、それは著者の他作を読みなさい、という意味なのかもしれない。 本書はきっと、そういった方向性を指し示すことを目的とした入門書の位置づけなのだろう。

Posted byブクログ