グローバル政治とグローバル・ガバナンス の商品レビュー

星野昭吉【編著】

2012/04/12

グローバルガバナンス概念はグローバリゼーション同様に曖昧で多義的なものであり本質的に論争的なものだ。世界政治に存在するグローバルガバナンスは本質的に世界国家や世界政府、世界連邦政府などの単一的、統一的な権威的ガバナンス、つまり権威的統治体の不在を前提に成立するガバナンス、つまり統治だから。

国家中心的ガバナンスと脱国家中心的ガバナンスからなる複合的ガバナンスである。

ガバナンスというのは国際政治学分野に生まれた概念ではなく、伊ppンの政治学、特に国内政治の分野できわめて古い概念と言われている。国内社会から国際社会へガバナンスという概念が適用されたプロセスは極めて疑義や論争の多いパラダイムと認められている。

国際政治は権力闘争の場であるとみなすリアリズムの考えに拠れば、国家やある地域の安全を保障するための最善策は古典的なBOPであり、そのための同盟である。また力の分布状況によっては大国間の協調により地域の安全を図ることを主張する。