偶然のチカラ の商品レビュー
思ったよりも大きな話題だった。読みやすくてわかりやすいけれど、「人生の心得」が理解できる。この内容がわかっている人生とそうではない人生はとんでもない差になるはずだ。 生きるために自分が知らなければならないことで欠けていることが見つかる。 まいった。
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■僕が野良犬に咬まれないといけない理由■ 宝くじに当たる人、詐欺にあって破産する人。裕福な家に生まれる子、ハンディキャップを背負って生まれる子。たまたま事故に巻き込まれる人、寝坊して命拾いする人。自分の身に起こることは偶然なのか?必然なのか?そもそも偶然って何?必然って何? ...
■僕が野良犬に咬まれないといけない理由■ 宝くじに当たる人、詐欺にあって破産する人。裕福な家に生まれる子、ハンディキャップを背負って生まれる子。たまたま事故に巻き込まれる人、寝坊して命拾いする人。自分の身に起こることは偶然なのか?必然なのか?そもそも偶然って何?必然って何? こういった疑問に理屈で答えるのは難しい。僕たちは幸運や不運にどのように対処したらいいのだろう。もちろん正解など存在しないと思うが、理屈ではなく考え方のヒントを与えてくれる。 著書中には数学者、ギャンブラー、占い師から矢沢永吉まで登場し、実話はもちろん、ギリシャ神話、言い伝えから笑い話、マーフィーの法則まで多彩なエピソードを使って、「人生いろいろ」を堪能させてくれる。 おもしろいと感じたエピソードの一つを使って思考実験を行ってみる。例えば僕がニューヨークで野良犬にかまれたとする。「なんで善良な僕が!?」運が悪いとしか言いようがない。 少し視点を変えてみる。ニューヨーク市で犬に咬まれて届出がある一日平均人数は毎年ほぼ一定しているという。もちろんニューヨークの犬たちは、今年はもう十分咬みついたから今日はやめておこうとか、まだノルマに達しないから毎日咬まないと、なんて考えるわけではない。いつどこでかはわからないが、誰かが咬まれる運命にあるのだ。 このように個々の事例では不運や理不尽と思えることも大局的には(統計的視点で見ると)おおむね必然で理にかなっていることは少なくない。ここで納得できる人もいるかもしれない。 しかし、統計だけではこの不運をこうむるのが、よりによってこの僕である理由にはなってない! ここで、神様目線で考えてみる。咬まれるのが僕である必要はない。が、僕ではダメな理由もない。つまり誰でもいい。ただ、いちいち「こいつは咬まれるべき」とか、「この人はかわいそう」とか選別しているほど神様は暇じゃないかもしれない。 そんなことを考えているうちに僕が咬まれるのは必然とまでは思わないまでも、だんだん「まあいっか、そういう運命だったんだろう。」という気がしてくるから不思議。 もちろんすべての幸運・不運をこんな風に達観できるほど僕は人間出来てない。 でも、こんな風に柔軟に視点を変えることができれば、見える景色が違って人生おもしろいかもなと思う。 例えば、そんなことを考えさせてくれる、楽しく、おかしいエピソードと、あたたかいヒントに満ちた著書だ。
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この本を読んで気分が楽になった。人生は「全てはなるようになる」に尽きるということを学んだ。つまり「世の中にはどうにもならないこともある」ということなんだろう。いいことが起こっても悪いことが起こっても全てが「運」「偶然」によって起きたものなのだ。
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最近、「運・不運」「必然・偶然」がマイブームです。この本で著者は多彩な話題でそれを語っていて、読んで興味を持った所は更に自分で深掘りしていけば良いと思います。ちなみに僕は南方熊楠のマンダラや仏教の縁起、確率のベイズ理論などをもっと知りたいと思いました。『起こった事は全て良い事であ...
最近、「運・不運」「必然・偶然」がマイブームです。この本で著者は多彩な話題でそれを語っていて、読んで興味を持った所は更に自分で深掘りしていけば良いと思います。ちなみに僕は南方熊楠のマンダラや仏教の縁起、確率のベイズ理論などをもっと知りたいと思いました。『起こった事は全て良い事である』、きっとこの本を読んだ事も。
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42の断章によってつづられた、偶然についての哲学的考察です。 「われわれの人生を決めているものはいったいなんだろう」という問いかけで始まる本書ですが、問題の解決を求めて宗教的な次元にいっきょに飛躍するのでもなく、かといって主観の領域に問題を封じ込めてしまうのでもなく、パスカルの...
42の断章によってつづられた、偶然についての哲学的考察です。 「われわれの人生を決めているものはいったいなんだろう」という問いかけで始まる本書ですが、問題の解決を求めて宗教的な次元にいっきょに飛躍するのでもなく、かといって主観の領域に問題を封じ込めてしまうのでもなく、パスカルの「中間者」の立場から見えてくる広漠とした問題領域のマイルストーンを、いくつかの印象的な事例を飛び渡るようにして考察を展開しています。 そういう構成になっているので、問題の解決を見いだすことよりも、むしろ問題の広がりを探索するといった印象があり、けっきょくのところどういう結論に行き着いたのか、やや見通しがたいという欠点はあります。とは言うものの、それは問題そのものが然らしめるところという面もあるのではないかと、つい少し甘い評価をしたくなってしまうような、どうにもおもしろくて仕方のない読書体験を味わわせてくれます。
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人生なるようにしかならんなぁ と、いう当たり前のことを再認識することのできる一冊でした。 付箋は7枚付きました。
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偶然のチカラについて書かれた本。あまり期待しないで読んだのですが、内容的にはとてもよかった。偶然というものはたった一人の世界では訪れない概念、という言葉が何より新鮮でした。いつか改めて読みたい本。 以下抜粋。 ------------------------------- ・うま...
偶然のチカラについて書かれた本。あまり期待しないで読んだのですが、内容的にはとてもよかった。偶然というものはたった一人の世界では訪れない概念、という言葉が何より新鮮でした。いつか改めて読みたい本。 以下抜粋。 ------------------------------- ・うまくいきる秘訣はなるべく選択しないですますこと(あれか、これかではなく、あれもこれも) ・買う前は欠点に敏感だった人も、買うと決めると調書ばかりを強調することになる。 ・自然が秩序を持って進行している、ことに気づくことになると、一方では占いが生まれ、他方では賭けがうまれることになった。 ・雨乞いのダンスはそのまま雨をふらすものではなく、社会的に危機意識を共用するものであり、実際それによって人々の結束は著しく強まった ・ヴァーチャルリアリティを作ろうとした時、インディアンのキヴァを参考にした。そこは日常から離れて色々なものに変貌出来る場所。自分を解きほぐしてくれるもの、眠り、赤ちゃんに戻してくれるもの、恍惚、ぐちゃぐちゃにしてくれるものが必要。 ・良い時は未来は決まっているように見える。 悪い時は未来は一瞬にして闇に閉ざされてしまう。 ・人生で誰の身も起こることを不幸と呼んではいけない。 ・もし無人島で暮らしていたら、果たして偶然ってあるのだろうか。 →偶然とは人間の力の及ばない事象と思われてきたが、もしかすると極めて人間的な出来事かもしれない。
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「幸運ばかり願う心にこそ災いは忍び込むものである。」 後半は確率の話である。 自分の選択が正しいかどうかは誰にもわからない。選ばなかった未来は誰にも視えない。 悪い出来事は続く。
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『神々の眠る「熊野」を歩く』があまりにも名著だったため、これも同様の感動を得られるかと手にとった。 結論から言うと、大して面白くも感動もなかった。 第一章で書かれた「自分で選択するべからず」の理由としてその後の章において、神話、占い、確率論、ギャンブル、宗教など、これでもかとい...
『神々の眠る「熊野」を歩く』があまりにも名著だったため、これも同様の感動を得られるかと手にとった。 結論から言うと、大して面白くも感動もなかった。 第一章で書かれた「自分で選択するべからず」の理由としてその後の章において、神話、占い、確率論、ギャンブル、宗教など、これでもかというほど様々な例を羅列しているが、結論に導くための論理がすっぽりと抜け落ちている。 もう一歩も二歩も深く掘り下げる必要があると思われた。 さも重要なことが書かれているかのような思わせぶりな内容に、学者としての誠実さは感じられなかった。 期待していただけに残念。
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「人は自分自身が下した決断からはなかなか自由にはなれない。だから、いいセールスマンはこちらから説得するのではなく、相手が自分で決断を下せるように導いていくのである。」 「神は嫉に深いゆえ、コウフクナ人間でも一転して奈落に落とされることもしばしばである。それゆえ幸福のうちに生涯を...
「人は自分自身が下した決断からはなかなか自由にはなれない。だから、いいセールスマンはこちらから説得するのではなく、相手が自分で決断を下せるように導いていくのである。」 「神は嫉に深いゆえ、コウフクナ人間でも一転して奈落に落とされることもしばしばである。それゆえ幸福のうちに生涯を終えるところまで見届けぬかぎり、いまどれほど富んでいようとも、普通の人間より以上に幸福だとは考えられない。そうして、ソロンは、人間の生涯はすべて偶然の産物にすぎず、最後の一転がりで結果はどちらになるかわからないのだと告げる。」 「幸福にも二つの道筋があって、いざというとき頼りになるのは、先天的に与えられたものではなく、自分の力によって獲得されたものだけだというのである。」 偶然とか、幸せとか、とてもありふれた言葉だけどそもそもそれってなんぞやって話。占いを信じる派だったけど、読むとやはりなと思える説得材料がたくさん見つかる。 なるべく自分からは決断しないって話は、がつんときた。未来が見えないとき、先の将来で迷ったとき、それを参考にしたい。 忘れた頃にまた読みたい一冊。 また、歴史勉強が面白くなりそうな一冊。オイディプス王の話をまた読み返したい。
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