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「死」を哲学する の商品レビュー

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2016/03/25

とてもわかり易く書かれた「死」について考えるための入門書。 「死」というものは「ことば」であり、死そのものではない(「死を指し示すもの」である)とか。それが言葉である時点で意味が同一性に絡め取られてしまうとか。死は常に未来において措定されるものだが、そもそも「未来」の存在というも...

とてもわかり易く書かれた「死」について考えるための入門書。 「死」というものは「ことば」であり、死そのものではない(「死を指し示すもの」である)とか。それが言葉である時点で意味が同一性に絡め取られてしまうとか。死は常に未来において措定されるものだが、そもそも「未来」の存在というものは帰納的推論を前提にしたものでしかないし、これいかに。とかとか。 すべての人は死ぬ(これもまた帰納的推論にほかならないのだけれど)わけだし、死について考えることは誰にとっても何がしかの意味はあるだろう。 面白い。 死は絶対に体験できないものだけど、体験できないものについてどう考えていくのか、そのための手法をいくつも学べる良著。

Posted byブクログ

2011/01/14

わかりやすいとは言えないけれど非常に読みやすい本だ。 「死」「他者」「未来」「無」という、「私」が「私」のままで決して到達できないものについて、とりわけ「死」について、全力で考えていこうとする試み。 「死」の恐怖は、元は「無」であったはずの「私」という「有」が「死」によって再び「...

わかりやすいとは言えないけれど非常に読みやすい本だ。 「死」「他者」「未来」「無」という、「私」が「私」のままで決して到達できないものについて、とりわけ「死」について、全力で考えていこうとする試み。 「死」の恐怖は、元は「無」であったはずの「私」という「有」が「死」によって再び「無」となり、その後二度と「私」の視点をもつことがないところにあるという。だから、「私」の死後にかつて「私」であったところの記憶を想起するなんらかの視点が存在すれば、この恐怖は消滅する。それは「神」の視点と言えるかもしれない。あるいは、「死」というのは本当はないのかもしれないという可能性についても言及する。つまり、「死」とは言語によって思考するものにとってのみ存在する。 現在の関心にいろいろとシンクロする内容で、なかなか面白かった。

Posted byブクログ

2009/10/04

中島さんの新刊です。「死」の哲学の書。このテーマにありがちな抽象的なくだりがなく、論理的な文章でとても読みやすい。

Posted byブクログ