ソフトウェアのテスト技術 の商品レビュー
原著は、Prentice-Hall Inc. から1982年に出版された“SOFTWARE VERIFICATION AND VALIDATION”ですから、Myers本が出た数年後に出版されたものです。 以前、紹介した『ソフトウェア品質工学』と同じ人が書いた本です。 『...
原著は、Prentice-Hall Inc. から1982年に出版された“SOFTWARE VERIFICATION AND VALIDATION”ですから、Myers本が出た数年後に出版されたものです。 以前、紹介した『ソフトウェア品質工学』と同じ人が書いた本です。 『ソフトウェア品質工学』よりは面白いけれど、メインフレームからミニコンに代わる時代の本ですから参考になる話がたくさん詰まっているというわけではありません。 だから、本書の中には、VAXの“シンボリック・デバッガ”の話も載っていてそういったところは興味深く読めました。ちょっと引用すると、 デバッガは、次のサービスを提供している。 ・プログラムの実行を止めたりプログラムの状態を調査したりするブレークポイント(breakpoint)の設定。 ・デバッガはトレースポイントの通過を示すメッセージを表示するが、そのトレースポイントの設定。 ・ロケーションが変更されるたびに活性化される特殊なプログラム・シンボルの監視、ロケーションの新旧の値は変更されるたびに表示される。 ・実行が中断した時に変数の内容を調べたり変更したりできる。 ・中断ポイントでユーザが指示した式の値を求めることができる。 ・プログラム実行の開始と中断。 つまり、オンライン・デバッグができて便利になったねという時代です。 YourdonやConstantineによる結合テストに対する指摘も載っていて、 段階的アプローチの概略は、(ちょっとひやかし半分な言い方だが)次の通りである。 ①モジュールごとに設計し、コーディングし、そしてモジュール単位でテストをせよ(普通、“単体テスト”として知られる)。 ②すべてのモジュールを大きなバッグの中へ入れよ。 ③そのバッグをきつく振れ(普通システム統合とテストとして知られる)。 ④そして、すべてがうまく動くように願って指をからませるおまじないをすることだ(普通、“現場テスト”として知られる)。 この方法の主な欠点は、前の例にあるように同時に4つのコンポーネントを結合するために誤りやエラーがどのコンポーネントで発生したのか、見極めるのが困難なことである。 で、このあと、逐次追加統合方式、そしてトップダウンとボトムアップの話に移っています。
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