社長になる人のための知財活用の本 国内編 の商品レビュー
事業における活用を強く念頭に入れた上で、特許権・商標権・著作権・不正競争防止法を解説し、独禁法との絡み並びに知財裁判の実際を論じた本。 尚、複数の知財法を同時に扱う他の本と同様に、実用新案権、意匠権共に、極めて地味な扱いを受けている(「実用新案とは!」、「意匠権とは!」、という...
事業における活用を強く念頭に入れた上で、特許権・商標権・著作権・不正競争防止法を解説し、独禁法との絡み並びに知財裁判の実際を論じた本。 尚、複数の知財法を同時に扱う他の本と同様に、実用新案権、意匠権共に、極めて地味な扱いを受けている(「実用新案とは!」、「意匠権とは!」、というそれぞれ1ページのコラムで、可哀想なくらいにざくっとした紹介があるに留まっている)。 執筆陣が全員弁護士である割には、事業での活用に焦点が当てられており、ビジネスで知るべきポイントのみが分かりやすくまとめられている。法ごとに章が分けられ、章毎に著者が異なるため、記述のスタイルにばらつきはあるが、概ね理論と事例・判例がバランス良く記載されており、難なく読み進めることが可能となっている。また、法曹以外に向けられた知財関連本には珍しく、独禁法との関連が論じられている。個人的に、独占を付与する法律であるにも関わらず独禁法に抵触するケースがあるという視点がこれまでなく、またその基準がかなり曖昧かつ恣意的で、事前の判断が困難であることを知らなかったため、勉強になった。 これといった特徴はないものの、かなり高品質な本。☆4つ。
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